山奥のぼくの家にも胡桃の樹があった
誰も見向きもしないというのに
毎年たわわに実をつけるその樹を
「陰気な樹」と思っていた
最近よく山の牧場から
胡桃の葉を薬草茶にと失敬してくる
胡桃の実を買うほうが旨いんだけど
胡桃の実は初恋の味に似てて
苦くて堅くてどんな味にも似ていない
まるで妥協など拒否していた君のように
牧場には胡桃の樹だらけで
樹の間の青空に寝転んでは
他愛無く明日について
話し合った君はもうどこにもいない
誰も見向きもしないというのに
毎年たわわに実をつけるその樹を
「陰気な樹」と思っていた
最近よく山の牧場から
胡桃の葉を薬草茶にと失敬してくる
胡桃の実を買うほうが旨いんだけど
胡桃の実は初恋の味に似てて
苦くて堅くてどんな味にも似ていない
まるで妥協など拒否していた君のように
牧場には胡桃の樹だらけで
樹の間の青空に寝転んでは
他愛無く明日について
話し合った君はもうどこにもいない