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  五月の詩(11)    否定

もはや眠っているのではない
ただ痛みがないというだけ

もはや笑っているのではない
ただ殺意をうまく表現できないだけ

もはやもう身動きできなくなる
生と死の間の漆黒の闇に渡された
首吊り縄にぶら下げられているだけ

惰性だけの社会がひび割れてゆく
火事場泥棒と死斑だらけの家畜が屯する
食べ物も水さえもなくなる日が来ようとは

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