北海道で転居するたびに
その町や村で一番貧乏なのがぼくの一家だった
父親が毎晩酒を飲み歩いているので
小遣いどころか金など見た事もなかった
それでも真面目を絵に描いたような父だった
毎週日曜日になると
あちこちに借りた畑で野良仕事だったので
食うには困らなかった
子供の教育のためだったのかもしれない
生まれ故郷の山奥の町と
育った海沿いの町との中間には祖母が住んでいて
この町での友達が特に多かった
みんな母子家庭の子で
冬には橇遊び夏にはかくれんぼしてた仲間が
就職してすぐに帰ってきて元気なくうなだれてると
ぼくらまでが泣きだしそうになった
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十二月の詩(15) ふるさと
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