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Channel: 詩人PIKKIのひとこと日記&詩
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 十二月の詩(14)   わたしは海を抱きしめていたい(坂口安吾)

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◆RT @kiyomizu5: @hanayuu 安倍の度重なる攻撃でNHK会長が退任NHK経営陣も安倍関係者ばかり安倍政権に乗っ取られたNHK http://t.co/ubRY3ANy3F乗っ取りは特定秘密保護法案と関係し秘密保護法案で情報の根本を抑えNHK乗っ取りで情報の流れ…

 

坂口安吾大好きな頭のいかれた先輩に出会って以来
ぼくの人生も廃市のようなセピア色に暗転した
ただそれは誰かに強制されたものではない
ディック「ブレードランナー」のような雨降りの映像も
キング『バトルランナー』のように血まみれに閃光も

窓を全部開けても
先輩のベットの下は処女たちの血糊でべっとり
ぷーんと血の匂いが漂う
もうお別れの晩秋だというのに

それでいて酒場へ着くなり
「この空を飛べたら」「酒場にて」を
ギターを弾きながら歌う
そででおいらもついつい
「とことん飲んでやるぞ」と心に決めるのだった

真昼のデパート屋上でユダのように
ウィスキーのポッケット瓶を回し飲みながら
「お前は全然道産子らしくない野郎だな」
「あんたこそ道産子の面汚しだよ」

ぐらぐらとゆれる水平線の向こうには荒海に孤独な島
「わたしは海を抱きしめていたい」という古い詩句が
胆汁のように込み上げてくる
この詩句だけは
誰がなんと言おうと誰にも渡さない!


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