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Channel: 詩人PIKKIのひとこと日記&詩
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秀作揃いで感動/座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル

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●投稿者 : tachy(橘)

秀作揃いで感動〜座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル

レイバーネットのイベントカレンダーで思い出して、2月10日から始まったドキュメン タリーフェスティバルのふつかめ、「娘は戦場で生まれた」(写真)から駆けつけた。覚悟はして いたが、死体の映像、血まみれの子どもの絶叫、瓦礫の山と化したアレッポの街。そこに 生後間もない娘を抱えて敢えて踏みとどまる若い医師の父親と、その連れ合いのジャーナ リストの母親、その仲間達を母親自身が魅力的に描いた重い作品だった。アフタートークはオ ンラインではあったが、安田菜津樹さんのあの落ち着いた語り口は、彼女が、こうした陰 惨な状況を心に焼き付け、広く伝えようとする姿勢なのだろうな、と感嘆。

 

江古田映画祭の実行委員として、映画祭のチラシをかついで、右往左往の日々の中で、仕 事とリハビリと運動の合間に自分の行きたい映画の空間を思う存分まわり歩いている。「座・高円寺」の鳥肌 の立つほどの感動の余韻のさなか、激しい地震が起きた。

私は3.11の時は福島県二本松の実家に帰省したとたんに遭遇し、茶器や陶器の壺なども扱う茶舗を営む実家で、店の中で高い棚から落 ちそうな棚押さえる弟の連れ合いを「物より命(が大事)だべ!」と叫びながら店外に引き ずり出して、(阪神大震災の後で争議団連絡会議の派遣として望月衣塑子さんの亡父廣さ ん達と神戸通いで教わった地震に際しての大原則です)、直後に店は、二メートル四方のシ ョーウィンドウが割れ散って、足の踏み場どころか、血まみれになりそうな状況だった。

実家に連絡したところ、今回の揺れは前の時よりひどく、被害も大きいということ。当日は、私 ユーロスペースの「死刑映画週間」で「8番目 の男」を見た。韓国の新しい映画で「パラサイト」に匹敵する展開と社会の問題を鋭く捉える秀作。 本当に太田昌国さん達が選ぶ映画は凄い❗ それでなくとも眠れないほどの映画の感動の 余韻に、地震、余震、余計眠れない❗ 寝不足で朝から、高円寺でドキュメンタリーフェステ ィバルのコンペティション入賞作4作品を、全部見て寝不足で見てもバテないほどの秀作 揃い、そのあとの大賞発表のかなり冗長なセレモニーまで、ぶっ通し。

だけど、それほどみな 素晴らしく、とりわけ大賞の「ダンシングホームレス」は、心ひかれる作品。山谷や寿 の寄せ場でイベントでお付き合いした程度の自身の野宿者に対する捉え方を根底からくつ がえす一人一人への深いまなざし、監督の素敵な姿勢と登場人物の魅力、コロナ、震災、 何があっても自分を見つめて生きぬいていきゃいいんだ、と諭してくれるような心地よ い音楽と美しい映像に脱帽! レイバーネットのイベントでぜひとりあげて欲しいと心から 思う作品に出会えました。

江古田映画祭では、レイバーネットを通じて知ったビデオアクトの上映会で出会った「発酵する民」という秀作ドキュメンタリーを、私の発案で上映させていただきます。この作品も「ダンシ ングホームレス」と同様、若い監督が人間のあり様についてみずみずしい感性で素敵に描 いていて、心暖まる作品です。2月27日から始まる江古田映画祭は、コロナ禍に立ち向かう人と人のつながりのリアルにこだわる私達の壮絶な決意のこもった秀作が揃いました❗

 

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