・「都教委包囲首都圏ネットワーク」、・「新芽ML」、
・「ひのきみ全国ネット」、・「戦争をさせない杉並1000人委員会」
の渡部です。
========================
今回は、『国家と教育~愛と怒りの人格形成』(中嶋哲彦著)
の紹介です。
筆者は「序論 新自由主義的国家改造と公教育」のところで、
<本書の構成>を以下のようにわかりやすく紹介している。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第Ⅰ部には、橋下・維新の会による大阪府・市の教育「改革」を
取り上げた論稿を二篇収めた。橋下・維新の会が大阪府・市で
展開した教育「改革」は新自由主義的教育改革の実験であり、
彼らにとって大阪府・市は、新自由主義改革の実行者として
自らを政財界に売り込むための展示場だったのではないか、
と私は考えている。・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第Ⅱ部には、教育委員会制度改革に関する論稿を二篇収めた。
・・・2000年代の教育委員会制度改革は教育委員会自体を有名無実化
して、地方教育行政を首長主導型に転換させようとするものだった。
・・・首長の手で新自由主義的教育改革を推進させようとしているのだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第Ⅲ部には、安倍政権とその教育政策を分析した論稿を三篇収めた。
私は、安倍政権を、「新自由主義的国家改造プロジェクトの
遂行を使命とする国家主義者の政権」であると捉えている。
・・安倍政権の教育政策・教育行政には、新自由主義的要素と
国家主義的要素が奇妙に共存している。・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第Ⅳ部には、政治的教養教育や教育の政治的中立について考察した
論稿が三篇収められている。2015年の公職選挙法改正によって
選挙権年齢が18歳に引き下げられ・・・多くの論稿が発表された。
しかし、その多くは、・・・若者の政治参加を制約したり、
政治的教養の獲得を困難にしたりする仕組みを再生産するものだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第Ⅴ部では、大学・高等教育「改革」に関する論稿を四篇収めた。
・・ここに収めた四篇は、ネガティブに語られることの多い、
「大学の大衆化」を捉え直し、大衆的高等教育の創造にこそ
大学の存在意義を見出し、そこに大学の存立基盤を
構築しようとするものである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第Ⅵ部に収めた三篇の論稿は、子どもの貧困について考察したものだ。
・・・私は、「自分自身の世界を知る権利」(ユネスコ「学習権宣言」)の
保障を軸に、貧困に直面する人々の貧困からの自己解放を支えることに、
公教育の使命があると考える。
貧困問題の根源には、経済的格差を生み出す資本主義的市場経済の
問題が存在するだけでなく、その格差を容認し、固定化し、拡大する
社会的メカニズムが教育制度を含めて社会全体に張り巡らされていると
考えるべきだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そうして、<あとがき>では次のように述べている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本書には、新自由主義的国家改造を狙う国家主義者の政権が、
私たちの社会を、したがって私たちの人生を壊し続けている。
まさにその現実を、子ども・若者そして教育制度に焦点を
当てて考察した論稿を収録した。息長く多くの読者を得たいと思う。
しかし、現実が大きく転換し、本書が役割を終える日が一日も
早く来ることを願わずにはいられない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
全333ページです。時間があればお読みください。
ところで、大内裕和氏と中島哲彦氏の二冊の本では
「新自由主義的教育改革」が分析されていたが、
私たちの7月の「全国学習・交流集会」(大阪で)では、
現在の教育行政の主体は、単に文科省ではなく、
文科省+総務省+経産省であり、とくに「経産省」が
前面に出てきていることが明らかにされた。
まさに「新自由主義的教育改革」なのである。
ではその「新自由主義」とは何か。
これは「新保守主義」とも言われた。
ピケティの「21世紀の資本」の分析によると、
現在の格差拡大は第一次大戦前夜と似ているという。
そしてその格差は第一次大戦と第二次大戦で縮小したという。
ピケティは述べていないが、
その間にあったのはロシア革命や中国革命で、
社会主義が表れたことが大きかっただろう。
しかし、その後社会主義陣営は崩壊した。
その結果、露骨な資本主義がまた復活した。
だからこのこの露骨な資本主義のことを
「新自由主義」(ネオ・リベラリズム)とか
「新保守主義」(ネオ・コンサーバティズム)と呼ぶのだろう。
だが、それは再び格差を拡大し、行き詰まりを見せている。
世界は今、再び第一次大戦前夜のような
世界に成りつつあるという事だろう。
私たちは、
安倍政権による「敵基地攻撃」のための軍備増強や、
若者を戦場に送ることにつながる「格差教育」、
「愛国心」教育に反対しなければならない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(おしらせ)
『公開討論会「2020年コロナ下の学校現場」』(名称多少変えました)
<日時>2020年9月6日(日)13:00開場、13:30開会~
<場所>しごとセンター・地下講堂
<内容>①参加者からこの間の動きと現状を報告してもらう
②討論 ③提案 ④まとめ
義務制、高校、特別支援学校の教員、子ども食堂、
高校生、大学生、などの方々が参加予定です。
<対象>現場教職員をはじめ関心を持つ人々に広く集まってもらう。
<資料代>500円
<主催>都教委包囲首都圏ネットワーク
・「ひのきみ全国ネット」、・「戦争をさせない杉並1000人委員会」
の渡部です。
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今回は、『国家と教育~愛と怒りの人格形成』(中嶋哲彦著)
の紹介です。
筆者は「序論 新自由主義的国家改造と公教育」のところで、
<本書の構成>を以下のようにわかりやすく紹介している。
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第Ⅰ部には、橋下・維新の会による大阪府・市の教育「改革」を
取り上げた論稿を二篇収めた。橋下・維新の会が大阪府・市で
展開した教育「改革」は新自由主義的教育改革の実験であり、
彼らにとって大阪府・市は、新自由主義改革の実行者として
自らを政財界に売り込むための展示場だったのではないか、
と私は考えている。・・・
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第Ⅱ部には、教育委員会制度改革に関する論稿を二篇収めた。
・・・2000年代の教育委員会制度改革は教育委員会自体を有名無実化
して、地方教育行政を首長主導型に転換させようとするものだった。
・・・首長の手で新自由主義的教育改革を推進させようとしているのだろう。
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第Ⅲ部には、安倍政権とその教育政策を分析した論稿を三篇収めた。
私は、安倍政権を、「新自由主義的国家改造プロジェクトの
遂行を使命とする国家主義者の政権」であると捉えている。
・・安倍政権の教育政策・教育行政には、新自由主義的要素と
国家主義的要素が奇妙に共存している。・・・
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第Ⅳ部には、政治的教養教育や教育の政治的中立について考察した
論稿が三篇収められている。2015年の公職選挙法改正によって
選挙権年齢が18歳に引き下げられ・・・多くの論稿が発表された。
しかし、その多くは、・・・若者の政治参加を制約したり、
政治的教養の獲得を困難にしたりする仕組みを再生産するものだった。
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第Ⅴ部では、大学・高等教育「改革」に関する論稿を四篇収めた。
・・ここに収めた四篇は、ネガティブに語られることの多い、
「大学の大衆化」を捉え直し、大衆的高等教育の創造にこそ
大学の存在意義を見出し、そこに大学の存立基盤を
構築しようとするものである。
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第Ⅵ部に収めた三篇の論稿は、子どもの貧困について考察したものだ。
・・・私は、「自分自身の世界を知る権利」(ユネスコ「学習権宣言」)の
保障を軸に、貧困に直面する人々の貧困からの自己解放を支えることに、
公教育の使命があると考える。
貧困問題の根源には、経済的格差を生み出す資本主義的市場経済の
問題が存在するだけでなく、その格差を容認し、固定化し、拡大する
社会的メカニズムが教育制度を含めて社会全体に張り巡らされていると
考えるべきだろう。
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そうして、<あとがき>では次のように述べている。
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本書には、新自由主義的国家改造を狙う国家主義者の政権が、
私たちの社会を、したがって私たちの人生を壊し続けている。
まさにその現実を、子ども・若者そして教育制度に焦点を
当てて考察した論稿を収録した。息長く多くの読者を得たいと思う。
しかし、現実が大きく転換し、本書が役割を終える日が一日も
早く来ることを願わずにはいられない。
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全333ページです。時間があればお読みください。
ところで、大内裕和氏と中島哲彦氏の二冊の本では
「新自由主義的教育改革」が分析されていたが、
私たちの7月の「全国学習・交流集会」(大阪で)では、
現在の教育行政の主体は、単に文科省ではなく、
文科省+総務省+経産省であり、とくに「経産省」が
前面に出てきていることが明らかにされた。
まさに「新自由主義的教育改革」なのである。
ではその「新自由主義」とは何か。
これは「新保守主義」とも言われた。
ピケティの「21世紀の資本」の分析によると、
現在の格差拡大は第一次大戦前夜と似ているという。
そしてその格差は第一次大戦と第二次大戦で縮小したという。
ピケティは述べていないが、
その間にあったのはロシア革命や中国革命で、
社会主義が表れたことが大きかっただろう。
しかし、その後社会主義陣営は崩壊した。
その結果、露骨な資本主義がまた復活した。
だからこのこの露骨な資本主義のことを
「新自由主義」(ネオ・リベラリズム)とか
「新保守主義」(ネオ・コンサーバティズム)と呼ぶのだろう。
だが、それは再び格差を拡大し、行き詰まりを見せている。
世界は今、再び第一次大戦前夜のような
世界に成りつつあるという事だろう。
私たちは、
安倍政権による「敵基地攻撃」のための軍備増強や、
若者を戦場に送ることにつながる「格差教育」、
「愛国心」教育に反対しなければならない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(おしらせ)
『公開討論会「2020年コロナ下の学校現場」』(名称多少変えました)
<日時>2020年9月6日(日)13:00開場、13:30開会~
<場所>しごとセンター・地下講堂
<内容>①参加者からこの間の動きと現状を報告してもらう
②討論 ③提案 ④まとめ
義務制、高校、特別支援学校の教員、子ども食堂、
高校生、大学生、などの方々が参加予定です。
<対象>現場教職員をはじめ関心を持つ人々に広く集まってもらう。
<資料代>500円
<主催>都教委包囲首都圏ネットワーク