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河井克行と案里がようやく逮捕された。2週間ほど前か、書類送検という情報を出している社があったので、ひょっとして検察は官邸と手打ちかと気を揉んでいたが、事無く逮捕となって安堵した。検察の威信をかけた捜査だと、高井康行が言挙げしているのを聞いて安心できる。多くの者が、世の中に微かな希望を光を見出して前向きな気分になっただろう。私もその一人だ。今回の事件の意義は大きい。検察が司法の独立を取り戻す一歩を進めた。二人の逮捕は必ずあるだろうと私が確信していた理由は、あの松尾邦弘らによる5月15日の意見書である。その末尾にこう結語があった。「心ある国民すべてがこの検察庁法改正案に断固反対の声を上げてこれを阻止する行動に出ることを期待してやまない」。国民に蜂起を呼びかけた。安倍官邸との闘争に決起するよう、主権者国民に檄を飛ばした。国民は呼応して検察を支援、最終的に検察が安倍官邸に勝利した。
河井克行・案里の逮捕 - 功労者の週刊文春と広島地検の検事たちに拍手_c0315619_13541953.png
檄に応じて共闘してくれた国民に検察は報いなければならない。司法の独立を示し、健全な民主主義の何たるかを示さなくてはいけない。書類送検などでお茶濁しして、安倍官邸と裏取引するのは国民に対する裏切りだ。検察はこの件で断固たる行動をとり国民の期待と信頼に応える必要があった。約束を果たしたということだ。高井康行が自信を漲らせて述べているように、二人の有罪は確実で、判決はそれしかない。今後、朝日紙面などを使った検察リークが続くだろう。犯罪の容疑を裏づけるところの諸事実がリークされ、ワイドショーや夜のニュースで話題になる。コロナ問題に代わって、河井夫妻の選挙買収の実態が大衆の一番の関心事になる。久しぶりに、検察リークがマスコミ報道の主役になる日本が戻る。それこそが、三権が分立し、司法が本来の生き生きとした姿を取り戻した瞬間だ。これまで長くそれが絶えていた。権力を安倍晋三が独占していたため、捜査は常に介入によって途絶された。
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今回の快挙達成の功績は誰か。二者いると思う。まず、最大の功労者は週刊文春である。週刊文春があの黒川弘務の賭けマージャンの暴露記事を出さなければ、黒川弘務の辞任はなく、検察庁法改正案の挫折はなく、あのまま安倍晋三が押し切って、検事総長の定年延長と黒川弘務の総長就任を決めていた。当然、河井克行・案里の逮捕も阻止され、二人は例によって不起訴処分になっていただろう。週刊文春の記事一発で黒川弘務の首が落ち、安倍晋三の計画が頓挫した。河井克行・案里の捜査は検察が仕切ることになり、稲田伸夫やOBの思惑どおり逮捕は必然の進行となった。週刊文春の手柄である。もう一人の功労者は、丹念に丁寧に粘り強く捜査を展開した広島地検の検事たちである。拍手を送りたい。今回の買収容疑では、地元議員ら94人に現金が配られている。94人。この数を検事は全て聴取し調べ上げ、証拠を万全に固めているのだ。検察と民主主義を守るための執念の捜査だったと言ってよい。
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今週号の週刊文春の記事には再び圧倒された。前回、黒川弘務の賭けマージャンの証拠を押さえるために、並々ならぬ人数と時間をかけ、費用と手間を投入して取材した件をブログで指摘したが、河井克行・案里の件ではもっと大規模に探偵を動員していた。東京から遠く離れた広島の地で。ウグイス嬢13人に一回の訪問調査で事実確認をとるべく、同日同時刻に12人の「記者」を使って自宅の呼び鈴を押しているのだ。個別に聴取したら、それがすぐに内部通報され、河井事務所に対策されて口裏合わせされるからである。口裏合わせを阻止すべく、12人の探偵団で広島で直撃取材を敢行している。 そうやってウグイス嬢の問題の暴露を発した。そこから河井夫妻の不正追及が始まった。週刊文春、恐るべし。ここまで来たら、ただの週刊誌とは言えない。この国の大いなる政治権力の一角であり、まさに第四の権力の実体である。昔、朝日新聞が独自取材でリクルート事件を調査しスクープしたが、今、その役目を週刊文春がやっている。朝日は全く事件取材をやらなくなった。無能化した。
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週刊文春の記事には官邸への忖度の要素が片鱗もない。世間の他のマスコミ、テレビや新聞には忖度がある。朝日の紙面記事などは、官邸からこう書けと言われて書いているものが多く、内部に安倍晋三の息がかかった工作員が多くいる。うんざりする。テレ朝の報ステは民放版NHKニュースになった。同じニュースを同じ原稿と映像で、同じ論調と解説でやっている。そうした、何もかも安倍晋三に漬け込まれた、腐りきった活字や音声・映像の中で棲息していて、週刊文春の筆致はあまりにも新鮮で驚かされる。安倍晋三を恐がっておらず、いつでも倒閣できるぞ、醜聞の材料を掴んでいるぞ、暴露してやるぞという反骨の気概が充満している。安倍政権と対峙している。こういう存在は国内に他にない。日本の民主主義を担保している重要な機関が週刊文春だ。事実上の唯一の野党と言っていい。永田町の野党は、共産党も含めて野党の体をなしていない。今回の国会も爆弾投下がなかった。「野党」の形式的業務を遂行しているだけだ。黒川弘務の証人喚問も要求せず、全く見せ場を作ることがなかった。
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脱線して恐縮だが、なぜ野党が黒川弘務を国会招致しようとせず、そのまま退職金5900万円を掴ませて逃がしてやったのか。私の推測と仮説を言うと、おそらく、野党幹部もマスコミ記者と接待懇親会を毎度やっているからだろう。マージャンやゴルフや料亭宴会の常習で脛に傷を持つ身だからだ。具体的に言おう。枝野幸男のカラオケ記者懇は誰が費用を出しているのか。支払いは割り勘で行っているのか。それは証明できるのか。最近、野党の暴露と追及で大臣の首が落ちたことがなく、安倍晋三も野党の国会質問をバカにしきっている。緊張感がない。安倍晋三だけでなく、官僚も野党をバカにしきっていて、野党ヒアリングは安倍官僚が野党議員を小バカにして嘲る場になっている。そのような、支持率も低く選挙も連敗で、力も存在感もない野党に、内部告発の機密情報が届くわけがない。告発の目的を達成する見込みが立たないから危険を冒せないのだ。告発情報は週刊文春に届いて集積される。週刊文春が捜査機関のような権力を持つ。
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週刊文春の最新記事を読んで分かるのは、河井克行の元秘書を完全に文春が押さえていて、何もかも証言を聴き取っている事実だ。今回の記事では、河井克行が横浜のコンサル会社を使い、2017年の衆院選の広島3区で争った塩村文夏の身辺調査を依頼、男性関係や金銭問題を漁っていた件が登場する。記事では「河井事務所関係者」の証言に基づくとあり、元秘書以外に考えられない。元秘書がペラペラ喋っているから、買収の事実も否定しようもない。元秘書が全てを知っている。自民党本部から振り込まれた1億5千万円の経緯や使途についても、克行の隣で実務の場にいた元秘書が知っている。週刊文春に証言しているということは、それ以上に詳しく細かく検察に供述しているに違いない。記事の中には、安倍晋三事務所の秘書団の関与についても触れられている。この問題も焦点だが、事情を最もよく知っているのは河井克行の元秘書だ。記事の文面からは、文春編集部の自信が漂っていて、検察リークの進行と共に爆弾投下の態勢にあることが窺われる。
安倍晋三は窮地に立った。窮地を切り抜けるには解散総選挙しかなく、圧勝して四選を果たすしかないが、ここ暫くは支持率が下がり続け、反転攻勢の糸口を見つけるのは容易ではないだろう。
河井克行と案里がようやく逮捕された。2週間ほど前か、書類送検という情報を出している社があったので、ひょっとして検察は官邸と手打ちかと気を揉んでいたが、事無く逮捕となって安堵した。検察の威信をかけた捜査だと、高井康行が言挙げしているのを聞いて安心できる。多くの者が、世の中に微かな希望を光を見出して前向きな気分になっただろう。私もその一人だ。今回の事件の意義は大きい。検察が司法の独立を取り戻す一歩を進めた。二人の逮捕は必ずあるだろうと私が確信していた理由は、あの松尾邦弘らによる5月15日の意見書である。その末尾にこう結語があった。「心ある国民すべてがこの検察庁法改正案に断固反対の声を上げてこれを阻止する行動に出ることを期待してやまない」。国民に蜂起を呼びかけた。安倍官邸との闘争に決起するよう、主権者国民に檄を飛ばした。国民は呼応して検察を支援、最終的に検察が安倍官邸に勝利した。
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檄に応じて共闘してくれた国民に検察は報いなければならない。司法の独立を示し、健全な民主主義の何たるかを示さなくてはいけない。書類送検などでお茶濁しして、安倍官邸と裏取引するのは国民に対する裏切りだ。検察はこの件で断固たる行動をとり国民の期待と信頼に応える必要があった。約束を果たしたということだ。高井康行が自信を漲らせて述べているように、二人の有罪は確実で、判決はそれしかない。今後、朝日紙面などを使った検察リークが続くだろう。犯罪の容疑を裏づけるところの諸事実がリークされ、ワイドショーや夜のニュースで話題になる。コロナ問題に代わって、河井夫妻の選挙買収の実態が大衆の一番の関心事になる。久しぶりに、検察リークがマスコミ報道の主役になる日本が戻る。それこそが、三権が分立し、司法が本来の生き生きとした姿を取り戻した瞬間だ。これまで長くそれが絶えていた。権力を安倍晋三が独占していたため、捜査は常に介入によって途絶された。
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今回の快挙達成の功績は誰か。二者いると思う。まず、最大の功労者は週刊文春である。週刊文春があの黒川弘務の賭けマージャンの暴露記事を出さなければ、黒川弘務の辞任はなく、検察庁法改正案の挫折はなく、あのまま安倍晋三が押し切って、検事総長の定年延長と黒川弘務の総長就任を決めていた。当然、河井克行・案里の逮捕も阻止され、二人は例によって不起訴処分になっていただろう。週刊文春の記事一発で黒川弘務の首が落ち、安倍晋三の計画が頓挫した。河井克行・案里の捜査は検察が仕切ることになり、稲田伸夫やOBの思惑どおり逮捕は必然の進行となった。週刊文春の手柄である。もう一人の功労者は、丹念に丁寧に粘り強く捜査を展開した広島地検の検事たちである。拍手を送りたい。今回の買収容疑では、地元議員ら94人に現金が配られている。94人。この数を検事は全て聴取し調べ上げ、証拠を万全に固めているのだ。検察と民主主義を守るための執念の捜査だったと言ってよい。
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今週号の週刊文春の記事には再び圧倒された。前回、黒川弘務の賭けマージャンの証拠を押さえるために、並々ならぬ人数と時間をかけ、費用と手間を投入して取材した件をブログで指摘したが、河井克行・案里の件ではもっと大規模に探偵を動員していた。東京から遠く離れた広島の地で。ウグイス嬢13人に一回の訪問調査で事実確認をとるべく、同日同時刻に12人の「記者」を使って自宅の呼び鈴を押しているのだ。個別に聴取したら、それがすぐに内部通報され、河井事務所に対策されて口裏合わせされるからである。口裏合わせを阻止すべく、12人の探偵団で広島で直撃取材を敢行している。 そうやってウグイス嬢の問題の暴露を発した。そこから河井夫妻の不正追及が始まった。週刊文春、恐るべし。ここまで来たら、ただの週刊誌とは言えない。この国の大いなる政治権力の一角であり、まさに第四の権力の実体である。昔、朝日新聞が独自取材でリクルート事件を調査しスクープしたが、今、その役目を週刊文春がやっている。朝日は全く事件取材をやらなくなった。無能化した。
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週刊文春の記事には官邸への忖度の要素が片鱗もない。世間の他のマスコミ、テレビや新聞には忖度がある。朝日の紙面記事などは、官邸からこう書けと言われて書いているものが多く、内部に安倍晋三の息がかかった工作員が多くいる。うんざりする。テレ朝の報ステは民放版NHKニュースになった。同じニュースを同じ原稿と映像で、同じ論調と解説でやっている。そうした、何もかも安倍晋三に漬け込まれた、腐りきった活字や音声・映像の中で棲息していて、週刊文春の筆致はあまりにも新鮮で驚かされる。安倍晋三を恐がっておらず、いつでも倒閣できるぞ、醜聞の材料を掴んでいるぞ、暴露してやるぞという反骨の気概が充満している。安倍政権と対峙している。こういう存在は国内に他にない。日本の民主主義を担保している重要な機関が週刊文春だ。事実上の唯一の野党と言っていい。永田町の野党は、共産党も含めて野党の体をなしていない。今回の国会も爆弾投下がなかった。「野党」の形式的業務を遂行しているだけだ。黒川弘務の証人喚問も要求せず、全く見せ場を作ることがなかった。
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脱線して恐縮だが、なぜ野党が黒川弘務を国会招致しようとせず、そのまま退職金5900万円を掴ませて逃がしてやったのか。私の推測と仮説を言うと、おそらく、野党幹部もマスコミ記者と接待懇親会を毎度やっているからだろう。マージャンやゴルフや料亭宴会の常習で脛に傷を持つ身だからだ。具体的に言おう。枝野幸男のカラオケ記者懇は誰が費用を出しているのか。支払いは割り勘で行っているのか。それは証明できるのか。最近、野党の暴露と追及で大臣の首が落ちたことがなく、安倍晋三も野党の国会質問をバカにしきっている。緊張感がない。安倍晋三だけでなく、官僚も野党をバカにしきっていて、野党ヒアリングは安倍官僚が野党議員を小バカにして嘲る場になっている。そのような、支持率も低く選挙も連敗で、力も存在感もない野党に、内部告発の機密情報が届くわけがない。告発の目的を達成する見込みが立たないから危険を冒せないのだ。告発情報は週刊文春に届いて集積される。週刊文春が捜査機関のような権力を持つ。
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週刊文春の最新記事を読んで分かるのは、河井克行の元秘書を完全に文春が押さえていて、何もかも証言を聴き取っている事実だ。今回の記事では、河井克行が横浜のコンサル会社を使い、2017年の衆院選の広島3区で争った塩村文夏の身辺調査を依頼、男性関係や金銭問題を漁っていた件が登場する。記事では「河井事務所関係者」の証言に基づくとあり、元秘書以外に考えられない。元秘書がペラペラ喋っているから、買収の事実も否定しようもない。元秘書が全てを知っている。自民党本部から振り込まれた1億5千万円の経緯や使途についても、克行の隣で実務の場にいた元秘書が知っている。週刊文春に証言しているということは、それ以上に詳しく細かく検察に供述しているに違いない。記事の中には、安倍晋三事務所の秘書団の関与についても触れられている。この問題も焦点だが、事情を最もよく知っているのは河井克行の元秘書だ。記事の文面からは、文春編集部の自信が漂っていて、検察リークの進行と共に爆弾投下の態勢にあることが窺われる。
安倍晋三は窮地に立った。窮地を切り抜けるには解散総選挙しかなく、圧勝して四選を果たすしかないが、ここ暫くは支持率が下がり続け、反転攻勢の糸口を見つけるのは容易ではないだろう。