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Channel: 詩人PIKKIのひとこと日記&詩
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Amazon Ringは危険な警察とのパートナーシップを中止すべきだ

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情報提供 : 小倉利丸

世界各国のBlack Lives Matterの大規模な抗議行動が広がるなかで、警察の取り締まりもまた深刻になっています。目にみえる暴力だけでなく、監視ツールを使い、近隣住民を警察の監視の手足に利用して、ますますコミュニティを分断してリスクを高める傾向があります。

以下に紹介するのは米国の電子フロンティア財団のウエッブに掲載されたAmazonと
警察とのパートナーシップへの批判の記事です。AmazonはRingと呼ばれる家庭用監視カメラを販売しています。このデータを全国の警察署とリンクさせて警察が使えるようなパートナーシップが組まれています。こうしたパートナーシップが警察の暴力を助長する道具になっていることから、パートナーシップを中止する署名運動も広がりはじめています。

記事のなかで、IBMが、警察による顔認証の利用がプライバシー侵害を助長する可能性があるとして開発を中断していることに言及しています。こうした企業の判断がでるのは、「自然」ななりゆきではなく、反監視運動の成果なのです。

この点で日本のITはまさに恐怖を商売のネタにすることで批判されない天国のような環境にあるといっても過言ではありません。ネットの反監視運動にささやかながら関わりをもってきた者として運動の弱さを痛感させられます。

日本でも、警察が民間の車載カメラなどを利用するなどして、市民相互の監視と密告の文化を構築しようとしていますが、米国はこうした動きをわかりやすく示しています。

Amazonができることは日本のIT企業にも可能です。最近は中国の監視社会化に注目があつまりますが、米国の監視社会のありかたに注目することの方が日本の現実を灯台下暗しにしないためにも重要と思います。

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Amazon Ringは危険な警察とのパートナーシップを中止すべきだ。
JASON KELLEY、MATTHEW GUARIGLIA
2020年6月10日
https://www.eff.org/deeplinks/2020/06/amazon-ring-must-end-its-dangerous-partner
ships-police

米国中の人々は、ジョージ・フロイドとブレオナ・テイラーの悲劇的な警察による殺害を含む人種差別的な警察の暴力に抗議するためにストリートに出ている。これは、法執行機関への批判の歴史的な瞬間である。テクノロジー企業も、彼らが設計し警察に販売するツールがいかに説明責任を最小限に抑え、不正を悪化させているか、再考する必要がある。
さらに悪いことに、警察の残虐行為をしばしば助長する犯罪への合理性のない恐怖を利用して、直接利益を得る企業もある。

そこで、われわれは、最悪の違反者の1人であるAmazon Ringに対して、1300を超える法執行機関とのパートナーシップを直ちに終了するよう求めている。(注)

(注)署名請願:Amazon Ringに伝えよう:警察とのパートナーシップを終らせろ
https://act.eff.org/action/tell-amazon-ring-to-stop-policing-vulnerable-communit
ies

犯罪の恐怖から利益を得る企業は、警察の過剰な暴力の影響を受けているコミュニティとの連帯を表明する声明(注)を発表している。Ringを所有するAmazonは、「組織的な人種差別と不正との闘いにおいて、ブラックコミュニティ(彼らの従業員、顧客、パートナー)との連帯に立つ」と発表した。(注)

(注)アマゾンステートメント:https://www.eff.org/files/2020/06/10/amazonblmtweet.
png

それでも、Amazonや他の企業は高速デジタルメカニズムを提供しており、それによって人々は、誰が近隣住民で、誰がぞうでないかを簡単に判断し、警察を呼び出して彼らと対決させることができる。このメカニズムは、全国の公共の道路に向けられた多数のドアベルカメラからのビデオおよびオーディオ映像への警察のアクセスも容易なものにしている。

この機能は、抗議への参加者を近所から特定するために使用できると考えられている。Amazonは、警察の部署と緊密なパートナーシップを組んでこの監視インフラストラクチャを構築した。たとえば、Ringのカメラを住民に向けて巡回する警官や、ビデオを共有するよう住民に圧力をかける方法を警察官にRingが指示するなどといったことだ。

「私たちの国の黒人に対する不平等で残忍な扱いはやめなければならない」とのAmazonの声明にもかかわらず、Ringは黒人のアメリカ人の警察による持続的な嫌がらせを可能にする積極的な役割を果たしている。 Ringの監視ドアベルと付随するNeighborsアプリは、多くの住民の最悪の本能に火をつけ、歩行者、隣人、労働者をスパイするようそそのかした。私たちはAmazon Ringに警察とのパートナーシップを直ちに終らせるよう伝えなければならない。

リングはプライバシーとコミュニティを脅かす
私たちは、Ringが「プライバシーの脅威の嵐」である理由について述べ(注1)、Ring-policeパートナーシップに関する5つの問題を提示した。(注2)また、Ringアプリからサードパーティに情報を送信する(注3)、これまでは公開されていなかった多数のトラッカーを明らかにし、セキュリティの欠陥に対応して行われた生彩を欠く変更を批判した。(注4)
(注1)https://www.eff.org/deeplinks/2019/08/amazons-ring-perfect-storm-privacy-th
reats
(注2)https://www.eff.org/deeplinks/2019/08/five-concerns-about-amazon-rings-deal
s-police
(注3)https://www.eff.org/deeplinks/2020/01/ring-doorbell-app-packed-third-party-
trackers
(注4)https://www.eff.org/deeplinks/2020/02/ring-updates-device-security-and-priv
acy-ignores-larger-concerns

まず最初に、Ringは、ドアベルが鳴るか、ドアの近くで人の動きが検出されるたびに、電話に通知を送信する。通知があるたびに、Ringは、ドアに無邪気に立っているピザの配達人とか国勢調査担当者を犯罪者にしてしまう可能性がある。

また、Ringは、ボタンをクリックするだけで、そのカメラが撮影したビデオ映像をコミュニティに直接投稿できるため、いわゆる「疑わしい」挙動の報告が容易になる。これは、人種的プロファイリングを奨励することになる。たとえば、隣人がドアベルを鳴らしたのが「怪しい」と思ったために、警察によって阻止されたアフリカ系アメリカ人の不動産業者のケース(注)がこれに該当する。
(注)https://www.mercurynews.com/2015/09/01/nextdoor-when-a-neighborhood-website-
turns-unneighborly/

Ringは抗議者を識別するために使用できる

さらに悪いことに、現在の抗議の最中に警察とのパートナーシップを拡大し続けているRingは、人種プロファイリングをさらに厄介で危険なものにする可能性のある取り決めをすでに実施している。Ringは現在、米国中の1300以上の警察と関係をもっている。

これらのパートナーシップにより、警察は町内のすべてのRingカメラの設置場所を大まかに把握し、警察が関心を持っているエリア内にカメラを持つすべての居住者に電子メールで撮影データを要求できる。抗議者を特定するために抗議の映像を要求するという簡便なやりかたを警察に与えることになる。
一部の町では、そこの地方自治体が、公共エリアの広さを基準にして、Ring上の定期的なキャプチャの回数に応じて、段階的な割引率を提示している。キャプチャするパブリックスペースが多いほど、割引が大きくなる。

リングカメラがデモをキャプチャした場合、Ringの所有者は抗議者を警察が識別可能にし、報復に対して脆弱にする危険がある。カメラの所有者が自発的に抗議の映像を警察と共有することを拒否した場合でも、法執行機関は令状を持って直接Amazonに出向くことができ、カメラの所有者を迂回することができる。

リングは警察の公的信頼を損なう

監視、透明性、または制限なしに警察とRing監視システムの間のパートナーシップが急速拡大することは、コミュニティのすべての人々のプライバシーと安全に重大な脅威をもたらす。「恐怖は商売になる」とRingは2016年に自社のブログに投稿しました。恐怖は、緊張を煽り、合理的にみて存在するとはいえない疑惑を生み出すことによって人々を傷つける。

Amazonはまた、警察が住民にRingアプリをインストールし、自宅用の監視カメラ購入を勧めていることも無視できない。営業担当者は私たちの市民社会の公平で信頼できる保護者になるべきものから抜け出すことができます。マザーボードごとに、Ring’s Neighborsアプリをダウンロードするすべての町の居住者に対して、地元の警察署は居住者に配布できるカメラの購入に対してクレジットを獲得する。この厄介な関係は、無愛想なこと以上に悪い。安全ではなく、人々の信頼を損なう。

Ringのいくつかの「機能」は、追加することにより、それがもたらす危険性を大幅に増加させる。統合された顔認識ソフトウェアは、最悪の部類に属するプライバシー侵害を可能にし、Ringのドアベルに近づくすべての人に、同意なしで顔をスキャンして顔データベースと照合するよう強制する可能性がある。ナンバープレートスキャン(注)は、人々の顔と車を照合することができる。

アプリ「Neighbors」の「犯罪ニュース」アラートの一部としてローカル911コールをユーザーに通知ことによって、さらに恐怖が植え付けられ、おそらくRingサービス追加需要が生まれが売り上げが伸びることになる。
(注)https://arstechnica.com/tech-policy/2020/04/ring-cameras-may-someday-scan-li
cense-plates-and-faces-leak-shows/

ちょうど今日、Amazonは警察による危険な顔認識ツール「Rekognition」(注1)の1年間の一時停止を発表(注2)した。これは、大量監視、警察の捜査、人種プロファイリングで使用されていることもあるという理由で今後顔認識テクノロジーの開発や研究を行わないというIBMの発表(注3)に続くものだ。
(注1)https://www.eff.org/deeplinks/2018/05/amazon-stop-powering-government-surve
illance
(注2)https://blog.aboutamazon.com/policy/we-are-implementing-a-one-year-moratori
um-on-police-use-of-rekognition
(注3)https://www.theverge.com/2020/6/8/21284683/ibm-no-longer-general-purpose-fa
cial-recognition-analysis-software

我々は、Amazonが無制限の顔認識の使用が脆弱なコミュニティに害を及ぼす可能性があることを認めたことを歓迎する。Amazonは、Ringと警察のパートナーシップの危険性を認め、警察の残虐行為に関する声明を支持する時が来ている。

著者
Jason Kelley
EFFのアクティビズムチームのDigital Strategist
Matthew Guariglia
監視問題などに関する政治アナリスト

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