再び韓国と日本の感染状況を比較する - 長い泥沼と惨苦の道を続ける日本
新型コロナウィルスの感染状況について、日本と韓国を比較するグラフを作成した。データは前回と同様、日経新聞の統計を使っている。1月末から4月28日までの、
①感染者数累計、
②死者数累計、
③一週間毎の感染者増加数、
④一週間毎の死者増加数の四つの指標を比較した。
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日韓を較して特に傾向と特徴がよく現れているのは、一週間毎の死者の増加数のグラフだろう。4月に入って日本の死者数が急速に伸びていることが分かる。死者の総数は、日経のデータでは4月28日時点で、韓国が243人、日本が351人となっている。NHKが出しているデータでは、韓国は244人、日本は413人となっていて、日経と比べてかなり多い。
先週から、岡田晴恵などから「死者数に注目せよ」という指摘が出ているが、おそらく今週中か来週初めにも日本の死者数は韓国の2倍を突破することになるだろう。ワールドメーターの数字では、韓国の重症者数は現在55人であるのに対して、日本は300人であり、今後、日本の死者数がさらに増加することは確実だ。東洋経済のサイトには国内の重症者数の推移がグラフで載っている。その形状は死者数のグラフと同じで4月に入って急激に増えていて、各地の感染症医療機関のコロナ専用病床室を埋めて満杯にしている状況が伝わる。
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一方、一週間毎の感染者の増加数の比較を折れ線グラフで見ると、韓国の山が手前の2月下旬から3月初旬に来て、日本の山がそれに遅れて4月中旬に来て、二つの山が時間差で並んでいる図が描かれる。日本の新規の「感染者数」は減り始めている。今週のテレビ報道では、この数字の変化について楽観的な見方と悲観的な見方と二つが示されて番組が進行するという状況になった。
楽観的な見方をする者は、4月7日の緊急事態宣言以降の効果を評価し、都市への人出が止まって接触が減ったからだと言っている。一方、悲観的な見方をする者は、検査をしていないから市中感染の実態は反映されておらず、無症状キャリアによる感染連鎖は続いていると疑っている。問題は、5月上旬にかけて、韓国が劇的に新規感染者数を減らしたように、折れ線グラフのカーブを急激に下降させることができるかどうかであり、あるいはそれに失敗して、新規感染者の発生数が高止まりし、グラフがなだらかな高原状もしくは台地状の図を描くかである。
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今日29日のニュースでは、小池百合子が緊急事態宣言の延長を求める挙に出ていて、全国知事会も政府に期限延長を要請する提言を出すやという流れになった(保留になったが)。西浦博や日本医師会が動きをエンドースしている様子が看て取れる。宣言延長の政治は、今週、それを全国一律にするか、それとも地方毎にするかの鬩ぎ合いとなったが、どうやら医師会や知事会に引っ張られ、政府の判断は後者から前者に傾きつつある。
おそらく、これは西浦博の「7割理論」の政策化であり、接触を70%減らせば1か月半で感染拡大を抑制できるという構想の実践だろう。緊急事態宣言が出たのが4月7日で、1か月半後は5月20日頃になる。宣言を部分的に解除すると、解除された安全な地方県へ東京から人が流れる。知事会が全国一律での延長を求めるのは、そういう理由からだ。諮問委員会(=政府大本営連絡会議)がどのような判断を示すか興味深いが、延長を決めるとなると、次の解除予定をいつに設定するか決めないといけない。
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当然、延長に伴う次の給付金と新たな休業補償が必要で、救済のための本格的な予算措置を始めなくてはいけない。5月も営業再開できないとなると、中小企業の資金繰りは崖っぷちに追い詰められ、全国で倒産廃業が相次ぎ、失業者の群れが溢れる事態になる。一か月先の日本は全く予想が困難な状態だ。
ここで、あらためて、日韓の一週間毎の感染者増加数のグラフを見ていただきたい。韓国は一か月でコロナ禍の第一波を収束させたのである。市中感染の拡大を追いかけて猛スピードでPCR検査数を増大させ、ドライブスルーからウォークスルーと俊敏に展開し、陽性者を捕捉し隔離して、一気に感染連鎖を止めたのだ。感染の山は一か月で終わっている。韓国には外出制限もなく、都市封鎖もない。今は都市の夜の繁華街に人が繰り出して飲み歩いている。韓国には会社休業はなかった。勝利の祝砲を打つように総選挙を実施した。短期に収束させたから経済の打撃も小さくて済む。子どもが教育を受けられないということもない。
韓国と同じことをすれば、一か月の時間で感染を収束させることができるのである。日本のマスコミは、なぜ韓国の新規感染者増加数のグラフを出し、日本と比較しようとしないのだろうか。対策を個別に紹介するのではなく、トータルな対策と結果の帰結を見せないのか。韓国には人出抑制の数理モデルなどはなかった。無理な外出自粛と経済活動停止と売上蒸発はなかった。泥縄的な財政出動の悶着と出血もなかった。なぜ、日本のマスコミはPCR検査数を増やして感染を収束させる成功モデルを数字で示さないのだろうか。
新型コロナウィルスの感染状況について、日本と韓国を比較するグラフを作成した。データは前回と同様、日経新聞の統計を使っている。1月末から4月28日までの、
①感染者数累計、
②死者数累計、
③一週間毎の感染者増加数、
④一週間毎の死者増加数の四つの指標を比較した。
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日韓を較して特に傾向と特徴がよく現れているのは、一週間毎の死者の増加数のグラフだろう。4月に入って日本の死者数が急速に伸びていることが分かる。死者の総数は、日経のデータでは4月28日時点で、韓国が243人、日本が351人となっている。NHKが出しているデータでは、韓国は244人、日本は413人となっていて、日経と比べてかなり多い。
先週から、岡田晴恵などから「死者数に注目せよ」という指摘が出ているが、おそらく今週中か来週初めにも日本の死者数は韓国の2倍を突破することになるだろう。ワールドメーターの数字では、韓国の重症者数は現在55人であるのに対して、日本は300人であり、今後、日本の死者数がさらに増加することは確実だ。東洋経済のサイトには国内の重症者数の推移がグラフで載っている。その形状は死者数のグラフと同じで4月に入って急激に増えていて、各地の感染症医療機関のコロナ専用病床室を埋めて満杯にしている状況が伝わる。
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一方、一週間毎の感染者の増加数の比較を折れ線グラフで見ると、韓国の山が手前の2月下旬から3月初旬に来て、日本の山がそれに遅れて4月中旬に来て、二つの山が時間差で並んでいる図が描かれる。日本の新規の「感染者数」は減り始めている。今週のテレビ報道では、この数字の変化について楽観的な見方と悲観的な見方と二つが示されて番組が進行するという状況になった。
楽観的な見方をする者は、4月7日の緊急事態宣言以降の効果を評価し、都市への人出が止まって接触が減ったからだと言っている。一方、悲観的な見方をする者は、検査をしていないから市中感染の実態は反映されておらず、無症状キャリアによる感染連鎖は続いていると疑っている。問題は、5月上旬にかけて、韓国が劇的に新規感染者数を減らしたように、折れ線グラフのカーブを急激に下降させることができるかどうかであり、あるいはそれに失敗して、新規感染者の発生数が高止まりし、グラフがなだらかな高原状もしくは台地状の図を描くかである。
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今日29日のニュースでは、小池百合子が緊急事態宣言の延長を求める挙に出ていて、全国知事会も政府に期限延長を要請する提言を出すやという流れになった(保留になったが)。西浦博や日本医師会が動きをエンドースしている様子が看て取れる。宣言延長の政治は、今週、それを全国一律にするか、それとも地方毎にするかの鬩ぎ合いとなったが、どうやら医師会や知事会に引っ張られ、政府の判断は後者から前者に傾きつつある。
おそらく、これは西浦博の「7割理論」の政策化であり、接触を70%減らせば1か月半で感染拡大を抑制できるという構想の実践だろう。緊急事態宣言が出たのが4月7日で、1か月半後は5月20日頃になる。宣言を部分的に解除すると、解除された安全な地方県へ東京から人が流れる。知事会が全国一律での延長を求めるのは、そういう理由からだ。諮問委員会(=政府大本営連絡会議)がどのような判断を示すか興味深いが、延長を決めるとなると、次の解除予定をいつに設定するか決めないといけない。
再び韓国と日本の感染状況を比較する - 長い泥沼と惨苦の道を続ける日本_c0315619_16093747.png
当然、延長に伴う次の給付金と新たな休業補償が必要で、救済のための本格的な予算措置を始めなくてはいけない。5月も営業再開できないとなると、中小企業の資金繰りは崖っぷちに追い詰められ、全国で倒産廃業が相次ぎ、失業者の群れが溢れる事態になる。一か月先の日本は全く予想が困難な状態だ。
ここで、あらためて、日韓の一週間毎の感染者増加数のグラフを見ていただきたい。韓国は一か月でコロナ禍の第一波を収束させたのである。市中感染の拡大を追いかけて猛スピードでPCR検査数を増大させ、ドライブスルーからウォークスルーと俊敏に展開し、陽性者を捕捉し隔離して、一気に感染連鎖を止めたのだ。感染の山は一か月で終わっている。韓国には外出制限もなく、都市封鎖もない。今は都市の夜の繁華街に人が繰り出して飲み歩いている。韓国には会社休業はなかった。勝利の祝砲を打つように総選挙を実施した。短期に収束させたから経済の打撃も小さくて済む。子どもが教育を受けられないということもない。
韓国と同じことをすれば、一か月の時間で感染を収束させることができるのである。日本のマスコミは、なぜ韓国の新規感染者増加数のグラフを出し、日本と比較しようとしないのだろうか。対策を個別に紹介するのではなく、トータルな対策と結果の帰結を見せないのか。韓国には人出抑制の数理モデルなどはなかった。無理な外出自粛と経済活動停止と売上蒸発はなかった。泥縄的な財政出動の悶着と出血もなかった。なぜ、日本のマスコミはPCR検査数を増やして感染を収束させる成功モデルを数字で示さないのだろうか。