雨上がりの空にすてきな虹が架かる朝には
朝露に濡れそぼりながら旅にでかけたくなる
ナイフだけを握りしめて
廃線の果てからやってきたあの朝みたいに
きみから贈られた赤い万能ナイフ
いつも水底で輝く小石を思い出させるナイフ
これで何度ビールの栓を抜き
貧しい夕餉の缶詰を開けたことだろう
遠い空のしたのきみを想いながら
きみを見舞った夕暮れの樹影に向かって
林檎を片手に「最後まで切らずに皮をむけるんだよ」と
きみの死からもう十年数年も経つというのに
いよいよひんやりと色褪せることのないナイフ
きらり きらきらと
まるで水の中の横たわる小石のように思いで一杯のナイフ
このナイフだけを片手に故郷に帰ろうか
廃線の果てにはもう誰も待つ人などいないのに
朝露に濡れそぼりながら旅にでかけたくなる
ナイフだけを握りしめて
廃線の果てからやってきたあの朝みたいに
きみから贈られた赤い万能ナイフ
いつも水底で輝く小石を思い出させるナイフ
これで何度ビールの栓を抜き
貧しい夕餉の缶詰を開けたことだろう
遠い空のしたのきみを想いながら
きみを見舞った夕暮れの樹影に向かって
林檎を片手に「最後まで切らずに皮をむけるんだよ」と
きみの死からもう十年数年も経つというのに
いよいよひんやりと色褪せることのないナイフ
きらり きらきらと
まるで水の中の横たわる小石のように思いで一杯のナイフ
このナイフだけを片手に故郷に帰ろうか
廃線の果てにはもう誰も待つ人などいないのに