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傷跡

身体の傷跡みたいに
こころの傷跡は
おいそれとは姿をあらわさない

こころはいつも孤独に
何か吸い上げては
樹液のように言葉だけを送り出す

シュレジンガーの子猫みたいに
いると思うといなくて
いないと思うといるような存在だから

ひとつの物語が終わり
また無数の新しい物語が
すでに始まっている

立ち上がったからといって
歩き出さなければいけない訳じゃない
拳を振り上げたからといって
破壊しなければならないという訳でもない

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