年末になるとどうしてか思い出す魯迅
かれの「ふるさと」はまだ
教科書に載っているだろうか
子規や賢治の望郷の思いに通底する
きらめく鮎のような彼らの幻想が美しいのは
すでに締観していたからではない
死など屁ともせずに
なすべき事へと肉薄していった彼らの執念
でもあくまでもあっけらかんとした彼ら
チェーホフもまた詩人ではないが
他の人間よりも難解な語を使って喜び
内容といえば手垢のついた物ばかりの
この低国の東大語法詩人たちよりははるかにまし
叛逆や革命や夢
犯罪や食物や妄想について触れなくて
いったいなんのための詩人か
花鳥風月や
手垢のついた愛などはもう
マスコミやお笑い芸人たちにまかせて
原発事故や言論弾圧や増税で滅びゆく者について語る時代だろ
↧
十二月の詩(31) 詩人(要推敲)
↧