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 八月の詩(21)  夢の中の駅  

思い出せそうでいて
思い出せない駅名がある

いつも遠く駅舎が見えてくるたびに
こみ上げる想いに佇んでしまう駅

この駅から誰ひとり
乗ってなどいない列車へと飛び乗ったり
夕焼けに染まった電車から
いやいや降りたりする駅だった

その反対側には
まだ一度も足を踏み入れた事のない
夢の中の眩い駅があり 
夢の果てまでも広がる大都会への道が走っているという


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