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  八月の詩(2)    救済

救済し救済されようとした
かすかな記憶がある

嘲笑することなかれ
差別であれ 憤怒であれ 飢餓であれ
見て見ない振りをしていたらいよいよ増殖するのが世の常

誰彼となく襲いかかってくる有象無象は
誰であれ
飢えたらなんでもやる己の反映なのだ

人間は転がるビリヤードの玉のよう小突かれ
順番に四隅の穴倉へと放り込まれてゆく
様々な終わりの言葉を耳に囁かれながら

悲しみはもう何処にも届かない造花になる
思い出はすべて奪われて口当たりのいいカルト極右の扇動になる
憎しみはもう
踏み切りの向こうまでも歩いてゆけない

待ち焦がれた蒼穹の一番星の代わりに
群れ飛ぶ蛍よりも清かに
包装紙よりも騒々しく
ネオンサインの場末で嘔吐する言葉たちになる

腐臭を美辞麗句とし
亡国へとまっしぐらのハイエナばかりの国に
残されているのはまだまだ豊穣な明治維新までの文化
どうせ殺されるなら血反吐吐くまで叫びたい

 

  おばんです。禁酒したら頭痛がひどくて、一週間ぶりに酒を・・酒を飲むとやたらと詩作したくなる。ベーシストのカザレスは宮沢賢治を連想させられる。賢治の最高傑作のひとつ『セロ弾きのゴーシュ』を思い出すー.html

カザルスが演奏後に、「ふるさとの小鳥たちは平和平和と囀るのです」と・・仔狸やネズミやカッコウや猫が、ゴーシュの奏でる音に癒されながら、あれこれアドバイスしてゴーシュを成長させる。ここには一万年以上前からの日本列島人のアニミズム的な世界観がある


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