怒りに任せて作った生まれて初めての詩は
今だにも誰にも見せたことがない
でも中学卒業文集にその詩の一節
「学校中の窓ガラスをぶち壊したい」と書いたので
知ってる奴は知っているだろう
母と父とが近くの温泉へと出かけて
入浴を拒絶されたというので作った生まれて初めての詩だった
父は年中酔っ払ってるアル中
母は父の酒代で無くなる生活費のために働き
腎臓病の祖母の高い薬を買うために働きずくめだった
(でもいつも仕事がどうこうと話しあってた・・)
ぼくも
でんと聳え立つ温泉ホテルの従業員なら
何をやるか判らん酔っ払いと
皺だらけの婆さんと看做したかもしれない
それでぼくは中学生時代以来からずっと
井上光晴『反対』のような詩しか作れなくなった
「学校中の窓ガラスを割って歩いた」という
尾崎豊のような歌しか作れなくなってしまった
こんなろくでもない詩しか作れないでごめんな・・
あの世のとうさん かあさん
でも生きてる限り
それは違うだろうという詩を作り
俺もお前らもみんな糞だと言うしかない
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