情報提供:熊谷博子
炭鉱を知ると日本が見えてくる〜ドキュメンタリー映画『作兵衛さんと日本を掘る』DVD発刊
『作兵衛さんと日本を掘る』は、昨年2月に全国の映画館での公開を終え、これから自主上映をと思っていた矢先にコロナで、難しくなりました。むろん私だけはありません。この状況の中だからこそ、より多くの方に観ていただきたいと、DVDパッケージを制作しました。感動していただいた本編に加え、以下のものが入っています。
〇バリアフリー版
目や耳の不自由な方のために、音声ガイドと字幕をつけました。当事者の方たちにモニターをお願いし、意見を聞きながらともに作業を進めました。
〇特典映像(112分)
①作兵衛事務所所蔵の原画約20点を収録。全体から細部にいたるまで絵とじっくり向き合えます。その美しさにドキドキするとともに、今につながる当時の過酷な労働について、改めて思いがわき上がってきます。
②本編にはいらなかった、貴重な証言
・橋上カヤノさん(元おんな坑夫)
初めて坑内に入った時のこと。そして夫は戦争にとられ、たくさんの子どもを抱え、高い金を稼ぐために、“穴の穴”にまで入って働いたこと。本編以上に心うたれます。そして、言葉はわからなかったが、朝鮮人坑夫たちに優しくしてもらった、とも。
・菊畑茂久馬さん(前衛画家)
世界的な評価を得た20代の終わりに作兵衛さんの絵と出会い、それから20年間、自分の絵を描けなくなってしまった、その細かい経緯。茂久馬さんの喋りは圧巻で、生きること、働くことと表現することの本質と、真摯さをつきつけらます。
・渡辺為雄さん(元常磐炭田・炭坑夫)
自宅の敷地内に、自分で線路とトロッコを作り、動かして見せるときの得意そうな顔。
もうお三人とも亡くなり、こういう方たちの証言を残してておいてよかった、とつくづく思います。
〇解説ブックレット(8ページ)封入
大変充実したものになりました。価格4,500円(税抜)。アマゾンや映画の公式サイトから購入できます。↓
https://www.sakubeisan.com/
今年は、東日本大震災と原発事故、筑豊の元炭坑夫、山本作兵衛の残したものがユネスコ「世界の記憶」に登録されてから10年目。《炭鉱を知ると、日本が見えてくる》と改めて感じます。この作品から、今を生き抜くパワーをもらえると信じています。