<カジノ利権に突っ込んだ懲りない面々と問われる林検察>
早くも菅人事、中でも官房機密費数百億円を握る官房長官人事と、政党助成金約200億円をにぎる自民党幹事長人事の行く方に、注目と関心が移っている。
金で動く永田町を象徴する人事の骨格は、早くも派閥の攻防・死闘が開始された。
興味深いことは、菅を押し上げた功労者の二階の目的は、言うまでもなく自民党の金庫を握る幹事長を、これからも継続する一点に絞られている。しかし、細田派と麻生派、竹下派が連携しながら、二階はずしに決起した。
同じく官房長官人事は、事実上の派閥を形成する資金を居ながらに懐に入れて、私兵を養うことが出来るため、このポストも各派にとって掴みたいポストである。
菅の防護服である大魔神・電通も、個々の人事ともなると、すべてを主役になって采配を振れるわけではない。せいぜい菅を押し上げた新聞テレビで「有力」と報じる程度のことだ。
自民党の人事抗争は、コロナで日本経済が衰退、五輪のスポンサーから離脱する中での資金集めは、至難の業であることも熾烈化することになる。
かくして、幹事長と官房長官の人事に、各派とも執着することになる。自民党総裁選は、始まる前に幕が下りてしまったが、人事は派閥の命運と個々の議員の行方を決めることになるため、妥協することは容易ではない。
ましてや派閥を名乗れない菅内閣である。各派の攻勢を簡単に跳ね返す力などない。
<正念場の林真琴検察に国民の厳しい視線>
少し前のカジノ汚職が、再び燃え盛ってきている。永田町では、中国の企業を巻き込んだ大掛かりな汚職事件の黒幕に「菅も二階も入っている」と見られている。「人間を駄目にするカジノに、国民が断固反対したカジノ法を強行した公明党の国交大臣にも、疑惑アリだ」との声も聞こえてきている。
「河井夫妻の1・5億円事件の黒幕は、安倍と菅と二階の、三者による宏池会つぶしと見られている。これの収賄側は一人も逮捕されないという不可解な検察捜査に、広島県民どころか、国民の多くが強く反発している。大半の金が三者にも還流されていないのか。これの疑惑解明をしないままの林検察でいいのか。カジノ汚職も、現在再び噴火してきている。捜査当局が、これらの闇を放置するのか、それとも安倍のいなくなった中で、真っ当に手を出すのかどうか。林検察への国民監視も強まっている」
要するに、自民党総裁選は進行中だが、1・5億円事件とカジノ汚職疑惑が、新総裁新幹事長周辺にも及んでいる。そのことを、多くの日本国民は認識している。林検察もまた正念場を迎えているといえる。いい加減に処理すれば、コロナで窒息状態の市民が、ネットを使って決起することになろうか。
官房長官が横滑りして新総裁・首相になるという前例のない新事態は、言及するまでもなく安倍スキャンダルのお陰であって、安倍が辞めるからと言って、おいそれと国民が妥協することはない。
ここは民主政治の根幹が問われている!
<菅義偉+河野太郎・小泉純一郎の神奈川トリオ浮上か>
毎日のように清和会OBが、警鐘を鳴らしてくる問題は、横浜市のカジノ利権に食らいついた横浜市長の不可解な変身と、その背後の黒幕として暗躍したであろうと見られる菅が、安倍の後継者になるという信じがたい現実である。確かに、善良な国民は新たな苛立ちを抱き始めている。
漫才なのか、漫画なのか「三馬鹿トリオ」という名前を記憶している。清和会OBは、神奈川県の菅と河野洋平の倅の太郎、小泉純一郎の倅の進次郎を指して、この言葉を使っている。
洋平は首相にはならなかったが、自民党総裁になる前の官房長官時代に、隣国を納得させた日本の歴史認識でまともな対応(河野談話)をした。安倍の改憲論に「どこに改憲の必要があろうか」と改憲不要論をぶち上げて、憲法を擁護したのだが、倅は右翼に走ってしまった。
関東学院で遊んでいた倅をアメリカに送り込んで、ジャパンハンドラーに特訓してもらった小泉の倅も、ワシントンの犬になってしまい、信用できない。一般人は、まだそのことに気づいていない。神奈川県民にも多いらしい。
「政権のたらいまわし」に警鐘を鳴らしているのだ。頷けるだろう。政治の劣化は如何ともしがたい。検察が腐ると、あらゆる組織・官吏、言論も腐る!
2020年9月4日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)
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菅人事の気になる骨格<本澤二郎の「日本の風景」(3834)
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