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Channel: 詩人PIKKIのひとこと日記&詩
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杉原浩司:BS1「コロナ危機 未来の選択」<ナオミ・クライン>のま とめ

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http://www.labornetjp.org/news/2020/1597323701158staff01
東京の杉原浩司(武器取引反対ネットワーク:NAJAT)です。
[転送・転載歓迎/重複失礼]

8月11日(火)に放映されたNHK BS1スペシャル「コロナ危機 未来の選択」
<ナオミ・クライン>の内容をまとめてみました。
https://kosugihara.exblog.jp/240522719/

『これがすべてを変える』『ショック・ドクトリン』『NOでは足りない』
『ブランドなんかいらない』などの著者であるジャーナリスト、ナオミ・
クラインは、パンデミックの今、必要なのは「スクリーン・ニューディー
ル」ではなく「グリーン・ニューディール」だと主張します。

ナオミ・クラインを知らない方には入門編として、また著作にふれてきた
方にはおさらいと発展編としても有益な番組でした。彼女の問題提起を
たたき台に、日本でも積極的な討論が必要だと思います。

<写真はこちらにたくさん掲載しています。広めてください!>
NHK BS1スペシャル「コロナ危機 未来の選択」
<ナオミ・クライン>のダイジェストまとめ
https://togetter.com/li/1575223

「パンデミックは、私たちを支えてくれている労働が、感謝されず過少評
価されてきたことに気づかせてくれた。コロナ危機に対して、私たちは平
等ではない。ウイルスは刑務所、老人ホーム、アマゾンの倉庫など、無視
され、大切にされてこなかった部分に山火事のように広がった」

「ニューヨーク州では、議会休会中にクオモ知事が、コロナ対策として遠
隔授業・医療などをインターネットで効率的に行うプロジェクトの特別委
員会を立ち上げようとした。委員長はエリック・シュミット元グーグルCEO。
選挙で選ばれていない人々が決めようとしている。"スクリーン・ニュー
ディール"だ」

ナオミ・クラインが"ショック・ドクトリン"の内実をまざまざと目にした
のがイラク戦争(「衝撃と畏怖」作戦)。占領後、ポール・ブレマー行政官
は、国営企業の解体、公務員の大量解雇など、市場経済の導入を推進。だ
が、貧困層が増え「テロ」が頻発、治安悪化で米企業は撤退。「ブレマー
が残したのはディストピアだった」。

「イラク戦争後の占領で国営企業の民営化、規制緩和、外国企業の参入な
どを推進し、米国企業の望みを全面的に叶えた。それは、規制を撤廃し企
業の思い通りにすれば、自由市場のユートピアが実現するというミルトン
・フリードマンの経済理論に基づいていた。だが、イラクの人々は略奪だ
と理解した」

「常軌を逸した米国の戦略が猛烈な反発を招くのをリアルタイムで見た。
その時、「ショック状態を利用して民主主義の手続きを省く」やり方(シ
ョック・ドクトリン)に気づいた。後に残ったのはイラクのとんでもない
混乱。数十万人が命を失った。米国はイラクを思い通りに出来なかった」

「グーグルがリモート学習のシステムから個人情報を不正に収集している
と、ニューメキシコ州の司法当局から訴えられた。親権者の同意なしに13
歳以下の子どもの様々な情報を取得していると。IT企業は公教育を市場と
見なしているが、私たちは企業をコントロールできない」

「今回のパンデミックで私たちは、インターネットは民主主義の基盤その
ものだと気づいた。そうであるなら、私たちはこの技術を公共のものと捉
えるべきで、民間のままであってはならないかもしれない。テクノロジー
は、それを誰がコントロールするかがとても重要だ」

「遠隔医療でも、緊急事態の雰囲気の中、急いで行われていること全てに
注意を払うべきだ。個人の健康データのやり取りなど。心配なのは、パン
デミックが、個人情報を守りたいとの思いを一気に吹き飛ばすチャンスと
して利用されること。公共のための医療に営利目的の医療が侵入すること」

「今までと同じ道では、人々は孤立を深め、分断され、独裁的政治家の出
現の恐れもある。別の道もある。ウイルスは互いのつながりを気づかせて
くれた。全てのエッセンシャルワーカーの待遇改善に投資すべきだ。人を
隔離するテクノロジーへの投資か、一人ひとりの尊厳を大切にするかの分
かれ目だ」

「ショックや危機には未来へのビジョンが必要。アラブの春やウォール街
占拠などの抗議は、異議申し立てだけで、どんな社会を目指すかのビジョ
ンが欠けていた。そこを突かれ、主導権を奪われた。最も大切なのは、自
分たちのプランを持つこと。人類の危機の根底にある課題を解決するビジ
ョンを」

「過剰な消費を改め、私たちがどう変われば地球を他の生物と共有できる
かを考えるべきだ。気候危機で災害が増え、新たなウイルスも出現する。
複数の危機を同時に解決するビジョンを持つべき。重要なのはこの数年を
どう過ごすか。元に戻るのでなく、スローダウンこそが求められている」

「グリーン・ニューディールは、環境保護運動から生まれた多くのアイデ
アを組み合わせたもの。再生可能エネルギー100%を目指す経済分野への
投資が重要だ。私たちがすぐに全てを解決しようとテクノロジーに頼って
突き進み、グリーン・ニューディールに使うお金が残らないことを懸念する」

※発売中の『世界』9月号(岩波書店)に掲載されている、ナオミ・クラ
インとアルンダティ・ロイ(インドの作家・活動家)の対談「違う世界に
通じる入口へ~誰ひとり取り残さない」もぜひご参照ください。

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