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Channel: 詩人PIKKIのひとこと日記&詩
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渡部通信 : 「コロナ危機で明らかになった教育の大分岐」

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  ・「都教委包囲首都圏ネットワーク」、・「新芽ML」、
  ・「ひのきみ全国ネット」、・「戦争をさせない杉並1000人委員会」
の渡部です。
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すでに広く流れてますが、東京で中学校の近くの公道で
ビラまきをしていた都立高校生のI君が、
7月8日に副校長に「私人逮捕」され、
碑文谷警察に勾留され7月28日に釈放されました。
その「私人逮捕」の様子が、
インタースクールジャーナルに8月2日掲載されました。
以下をご覧ください。
記事URL http://interschooljournal.officeblog.jp/23761877archives/20200801html
「転載・転送・拡散大歓迎」だそうです。
(但しインタースクールジャーナルが報道している旨
併記していただくようお願い申し上げます)とのことです。
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先日(7月24日)大阪で開かれた、
『第10回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会』
の大きなテーマは
「コロナ危機で明らかになった教育の大分岐
 ―-ICT・オンラインでええんの?今こそ子どもと向き合う学校を」
でした。

この「教育の大分岐」は、まさにここ間進められてきた
<新自由主義による教育改革>の集大成のようなものですが、
これに関する本をこの間二冊(いずれも論文集)読みました。

一つは『教育・権力・社会』(大内裕和著:2020年1月20日 青土社)で、
もう一つは『国家と教育』(中嶋哲彦著:2020年3月17日 青土社)です。

今回は前者に関して簡単に紹介します。
この本は、
「第一部 新自由主義と国家主義
     ――ゆとり教育と教育基本法 1999-2008」
「第二部 希望と絶望
     ――政権交代と貧困 2009-2018」
となっており、教育基本法改悪(2006年)前後の20年に展開されてきた
新自由主義教育政策をわかりやすく説明してあります。
一言でいえば、「戦後民主教育」の破壊と
「新自由主義・国家主義」教育の浸透です。

詳細に紹介することはできませんので、
以下、特に印象に残ったところを抜粋します。

「第一部」では、
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「選択・責任・連帯の教育改革」は「小さな政府」による
ナショナリズムに基づく改革案なのである。(42ページ)
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それは「ポスト産業社会」を目指す新たな国家構築のための
教育プランなのである。(45ページ)
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経済のグローバル化は産業の空洞化を通して、「国民経済」
という一体性を破壊しつつあり多くの産業で国内の雇用労働力は
過剰となっている。またIT革命に代表される情報産業は、
情報と言う付加価値を生み出すことのできる少数の個人を
要求しており、これまでのような知識を共有する均質な大量の
労働力を必要としていない。教育ルートにおける複線化は
労働市場の分極化と結びつく。日経連1995年の/報告書
『新時代の「日本的経営」』は、日本における国民経済の終焉と
これからの格差社会の到来を予感させる内容をもっている。(77ページ)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「自由化」というのは何といっても「市場による自由」を意味していて、
国家からの「規制緩和」や「民営化」ということになる。(92~93ページ)
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「日本人」というカテゴリーは「国民としての一体性」を支える
虚構のイデオロギーとしての役割が期待されているのである。(154~155ページ)
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グローバル化時代のさらなる経済競争とそれを支える
派兵国家のためにふさわしい「国民」の育成が、
教育基本法「改正」の目的である。(170ページ)
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教育振興基本計画によって、政府→自治体→学校という
トップダウン方式での新自由主義改革が
行われようとしている。(204ページ)
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「第二部」では、
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政権交代は行われたものの、民主党が目指す自民党政治の解体は
まだ道半ばである点を捉えることが重要である。(284ページ)
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・・1999年に成立した「国旗国歌法案」の衆院での採択に際して、
民主党は自主投票を選択した。政府案に賛成した民主党議員が45人、
反対は46人であった。(263ページ)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2012年3月に大阪府で成立した教育行政基本条例、府立学校条例、
職員基本条例は、民意の名の下に、実質的には教育基本条例と同様に、
教育の政治支配を推し進めるものである。
教育委員会の独立性は大きく損なわれ、知事→府教育委員会→校長→教員
というトップダウンの目標管理システムが構築される。
それは教育の新自由主義と国家主義を進行させ、教育における
格差と管理統制を強化するだろう。(311ページ)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
教育への政治介入、それを可能としたファシズム勢力の台頭、
そしてファシズム台頭の温床となっている「格差と貧困」の深刻化、
これらを批判する思想と実践が強く求められている。(312ページ)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以下には、
「身就貧困ビジネスとしての奨学金」
「貧困化する大学生と経済的徴兵制」
「奨学金問題の現状と今後の課題」
などの論文が収めてあり、大学と大学生が抱える
深刻な問題について具体的に指摘されています。

全407ページですが、読みやすいので、
時間があれば読んで見てください。
どのようにして現在の教育になってきたのかが
よくわかります。

ところで、「希望と絶望」は対立物の統一
(弁証法:対立しながらも依存しあっているという事)
ですね。

次回は『国家と教育』です。

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(おしらせ)
 『公開討論会「2020年コロナ下の学校現場」』(名称多少変えました)
 <日時>2020年9月6日(日)13:00開場、13:30開会~
 <場所>しごとセンター・地下講堂
  <内容>①参加者からこの間の動きと現状を報告してもらう
     ②討論 ③提案 ④まとめ
      義務制、高校、特別支援学校の教員、子ども食堂、
     高校生、大学生、などの方々が参加予定です。
  <対象>現場教職員をはじめ関心を持つ人々に広く集まってもらう。
  <資料代>500円
 <主催>都教委包囲首都圏ネットワーク

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