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渡部通信 : 高校生ビラまき弾圧事件

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  ・「都教委包囲首都圏ネットワーク」、・「新芽ML」、
  ・「ひのきみ全国ネット」、・「戦争をさせない杉並1000人委員会」
の渡部です。
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(少し長いです)
東京で、公道でビラまきをしていた高校生が不当逮捕された。
彼を支援する仲間たちが出した『校民日報』(1号、2020年7月15日発行)によると、
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 7月8日の朝、目黒区立第九中学校の近くで小山台高校の水泳授業のあり方を批判し、
生徒の権利を訴えるビラを配っていた現役高校生Iさんが第九中学校の高橋秀一副校長に
「公務執行妨害」の嫌疑で逮捕され、警察に連行されたのだ。・・
7月7日から目黒区立第九中学校付近でビラをまいていたIさんは7日のビラまきの際も、
高橋副校長にビラをまくことを執拗に妨害されていた。
これを踏まえ、8日のビラまきでは学校から離れた場所でビラをまいていた。
しかし高橋副校長はわざわざIさんのもとに来て、ビラ配布をやめるよう妨害を行った。
あまりにひどいため、Iさんが表現弾圧の証拠として撮影しようとしたところ、
高橋副校長が怒鳴りながらIさんにぶつかってきたのだった。
しかもなんとぶつかってきた高橋副校長は、Iさんに殴打されたと主張。
警察を呼び、Iさんを不当逮捕させたのだ。こんなめちゃくちゃな話があるのだろうか。
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ということである。
Iさんはその後、10日間の起訴前勾留となった。
<被疑事実>には次のように述べられている。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
被疑者は、令和2年7月8日午前8時頃、
東京都目黒区洗足1丁目8番13号青木方路上において、
目黒区立第九中学校の職員証を首から下げて同所を巡回していた
同校副校長高橋秀一(当時55歳)らから、
ビラを配ることについて注意を受けたため、
所持していた携帯電話機のカメラで同校教員を撮影しようとし、
その頃、同所において、被疑者が撮影するのを遮った前記高橋の右手を、
携帯電話機で殴打する暴行を加え、もって同人の職務の執行を妨害したものである。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

また、勾留の事由としては、下記の2、3に当たるという。
 1、被疑者が定まった住所を有しない。
 2、被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある。
 3、被疑者が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昨日(7月17日)、勾留をさらに10日間の延長をするかどうか、
「勾留理由開示公判」が東京地裁で行われた。
緊急な連絡だったが、傍聴に48人が駆けつけてくれた。
(公安も10人余り配置されていた)。
しかし、傍聴席はコロナ感染予防で15席しかなく、抽選になった。
429号室の前は40程の警備がおり、物々しく、持ち込めるものは筆記用具だけだった。

公判では、最初に裁判官からIさんが氏名・生年月日・住所・職業について聞かれたが、彼はすべて黙秘した。
その後、裁判官は先に述べた「被疑事実」と勾留の「事由」を述べた。

それに対し、弁護士(3人)は、40項目以上のことについて釈明を求めた(「求釈明」)。
しかし、多くの項目について、裁判官は「答えられない」と述べたため、傍聴者の一人が「答えろ!」とやじったところ、裁判官は「退廷」を命じた。
すると、警備の職員が一気に大量に法廷になだれ込み、彼を押さえつけ退廷させるということがあった。

「求釈明」は、次のような構成からなっていた。
 第1、勾留状に記載された被疑事実について
 第2、被疑者に対する逮捕行為(逮捕前置主義について)
 第3、勾留の理由について
 第4、勾留の必要性について

ほとんどの所で、「答えられない」と述べたが、
いくつか答えたところがあるので、以下に箇条書きにしたい。

①「・・・青木方路上」とある場所は「第9中学校の構内か」については、
 「構内ではない」と答えた。
②「公道上かそれとも私有地か」については、
 「公道上である」と答えた。
③「公道上で巡回し、注意をする立場であったのか」には答えなかったが、
 「巡回しビラへの注意をしたことは適法である」と述べたので、
 弁護士は「本気か?」、「ビラには第9中学校のことは書いていないのに、
 また生徒に何もやっていないのに、なぜ注意できるのか。
 なぜ適法なのか理由を述べてもらいたい」と述べた。しかし、これには答えなかった。

また、「携帯で殴打」についても、「そのとき副校長は職員証を下げていたのか」、「携帯を奪い取ろうとしたのではないか」、
「携帯を触ったのではないか」、「どのような資料から殴打したと判断したのか」などについても明確な釈明はなかった。

「逮捕時」のことについても、「Iさんは逃げようとしたのか」
(彼は逃げもせず、警察の車に乗せられ初めて逮捕されたことを知った:接見弁護士)、「告知をしたのか」についても釈明はなかった。

そこで弁護士(3人)は、それぞれ、
・「公務執行妨害というでっち上げ事件だ」、
・「言論の自由を妨害するものだ。7月14日に家宅捜索も行われたが、
  押収されたのはそれ以前の無縁のビラ26点だけで、情報収集活動をしている。
  政治活動を鎮圧するものだ」、
・「裁判所は人身の自由を奪っている。証隠滅とか逃亡の疑いなどはない。
 勾留延期を棄却すべきである」と述べた。

以上のように、今回の事件は、高校生の公道でのビラまきに対し、
 ①ビラに直接関係のない副校長が学校の構外まで出てきて執拗に妨害し、
 ②それを撮影しようとした携帯を取り上げようとし、
 ③「殴打された」として警察を呼び、「公務執行妨害」で逮捕させ、
 ④高校生を勾留までしているという、
きわめて不当で異常な言論や表現の自由への弾圧事件である。

にもかかわらず、閉廷後1時間程して、裁判所は
「勾留期間の延長」(理由:証拠解析・精査の未了。検察官による被害者、
 目撃者の取り調べ未了、処分決定のための補充捜査未了)という文書を出してきた。
明らかにこのでっち上げ事件を利用して、ビラまきなどに対する弾圧を強化しようとしていると考えられる。私たちは闘わなければならない
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「Iさん救援会」は、近く、彼が勾留されている碑文谷警察暑への抗議行動を行います。
 また、闘いが長引くことも考え、カンパ募集も始めました。
 <振替番号>00110-5-49424
 <加入者名>「全国集会・交流集会」で、「I君カンパ」と書いてください。
是非ご協力ください。
                       以上
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(おしらせ)
    『公開討論会「2020年コロナ禍と学校現場」』
   <日時>2020年9月6日(日)13:00~17:00(で借りています)
 <場所>しごとセンター・地下講堂
 <内容>①参加者からこの間の動きと現状を報告してもらう ②討論 ③提案 ④まとめ
   義務制、高校、特別支援学校、子ども食堂、学生、などの方々に交渉中。
 <対象>現場教職員をはじめ関心を持つ人々に広く集まってもらう。
 <資料代>500円
 <主催>都教委包囲首都圏ネットワーク

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