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買収の共犯の疑惑が濃厚になった安倍晋三 - 中国新聞にも拍手と声援を
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昨日25日朝、「安倍さんから」と30万円を渡された広島の町議の証言をスクープした記事が中国新聞から配信され、ネット世界に激震が走って一日中大騒動になった。夜の民放のテレビ報道でも取り上げられ、一夜明けても余波と興奮が続いている。町議は河井案里の後援会長を務めた78歳の女性で、自民党支部の女性部長の地位にあったという地方政治の大物である。
朝、Yahooトップに上がった写真と見出しを見て、ニュースバリューの大きさに刮目させられ小躍りしたが、記事に添付された写真が実によく、読者がテキストに目を通す前に見出しに掲げた事件の意味を伝えきっている。構図がいい。中国新聞はエクセレントだ。地方紙の記事が全国的なニュースになって政界と世論に衝撃を与えるという例は滅多にないが、25日の爆弾記事は歴史を刻んだと言え、地方紙の記者を鼓舞する快挙だ。タイミングも絶妙で、完璧な政治ジャーナリズムの一撃だった。
買収の共犯の疑惑が濃厚になった安倍晋三 - 中国新聞にも拍手と声援を_c0315619_14513741.png
テレビ報道でも注目され、ネットでも論議になったポイントだが、県議は、「安倍さんの名前を聞き、断れなかった」と証言している。言い訳を言っているように見えるが、弁明に信憑性の要素がないわけではなく、政治の真実を考えさせられる。買収は同時に脅迫でもあるのだ。
二人きりになった場で、現金を押しつけられ、安倍晋三を取るか、溝手顕正を取るか、二者択一を迫られたのである。現金授受を拒否すれば、溝手顕正の陣営に回ったという態度表明になる。現金を受け取れば、溝手顕正から離反したという証になる。受け取れば、その情報は内々に溝手陣営に流され、繁政秀子のショー・ザ・フラッグが広島地方政界の既成事実になる。拒否すれば、安倍晋三に報告され、その後の党県連を通じた仕置きを覚悟しなければならない。「安倍さんの名前を聞き、断れなかった」という判断は、組織による制裁で難に遭うのを恐れたという深刻な理由からだ。
買収の共犯の疑惑が濃厚になった安倍晋三 - 中国新聞にも拍手と声援を_c0315619_14550112.png
広島県の自民党の人間なら、溝手顕正と安倍晋三の確執と暗闘は誰でも承知している常識事項で、安倍晋三が河井案里を二人目の候補に立ててきたということは、目的はただ一つ、溝手顕正を落選させるためである。私怨と復讐が案里擁立の動機であり、安倍晋三は2議席取ろうなどという考えは毛頭ない。そのことは広島の政界関係者なら誰でも知るところであり、現金の意味はそういうことで、違法行為の共犯者になることで安倍晋三への忠誠を誓わされ、溝手顕正との絶縁を踏み絵させられたのである。密室で即座の態度決定を強要され、汚い現金を受け取らざるを得ない状況に追い込まれた。選挙買収での切り崩しの調略というのは、なるほどこのように行われるのかという、実弾作戦行使の現場を教える実例であり、町議の葛藤が生々しい。いずれにせよ、この証言が飛び出したことで、この選挙買収事件の共犯者として安倍晋三の姿が大きく浮かび上がった。
買収の共犯の疑惑が濃厚になった安倍晋三 - 中国新聞にも拍手と声援を_c0315619_14523065.png
買収原資の供与者が安倍晋三である事実の傍証となった点で、この中国新聞の報道は画期的だ。証言は証拠の一つである。殺人の目撃証言は証拠として採用される。河井克行・案里の買収資金は誰が調達したのか、今、誰もが知りたいのはその点で、検察が起訴状でその事実をどう説明し立証するのか固唾をのんで見守っている。検察リークで資金についてどう解明し暴露するのか、自民党本部や官邸の家宅捜索はあるのかに焦点が当たっている。
状況証拠からは、安倍晋三が1億5000万円を用意して買収工作に使わせたことは間違いなく、国民全員がその推測に確信を持っているだろう。状況証拠とは動機の所在である。すなわち、安倍晋三と溝手顕正の間の確執と遺恨の関係および経過に他ならない。動機は明快で客観的に納得し得る。然らば、それを証拠づける何かがあるかだが、これまで具体的な傍証は何もなかった。その意味で、今回の町議の証言は説得力がある。
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昨日25日は、赤旗からもスクープ報道があり、昨年、河井克行が単独で9度も安倍晋三と官邸で面会しており、その前後に大量の資金が河井克行管理の支部口座に振り込まれている事実が明らかにされた。赤旗の記事を元に日刊ゲンダイがさらに分かりやすい時系列の表に纏めていて、1億5000万円は4回に分けて振り込まれている。
その都度、安倍晋三は河井克行と単独で面談しており、その時間も1回に20分から35分と長い。逐一、河井克行から札束作戦の計画と結果が報告されていたわけで、安倍晋三がいかに溝手顕正を憎悪し、その落選に執念を燃やしていたかが窺い知れる。「カネを渡すときはオレの名前を必ず出せ、いいか、忘れるなよ」と厳命したことだろう。指示に忠実に従った河井克行は全県隈なく買収(脅迫)に狂奔して安倍晋三の悲願を達成させた。この赤旗の報道も傍証であり、安倍晋三の関与が否定できなくなる根拠となる。こうして、心証としては事件は明確な像を描き、パズルの欠陥ピースはなく、検察の動きを待つだけとなった。
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24日、野党がこの事件の「実態解明チーム」が発足させて初会合を開いたが、その席に招かれた郷原信郎が次のように発言していて興味深い。「これまで早い段階での活動は地盤培養行為として買収を適用してこなかったが、それを立件して河井夫妻を逮捕した」「(これまでより)ハードルを下げて買収の摘発を行ったことで、ルビコン川を渡ったと言っていい」。
この解説を額面どおり受け取ってよいかどうかは分からないし、検察に期待を持ちすぎるのも躊躇と警戒の念を覚えるけれど、河井案里が逮捕前にずっと無実を強弁していたのは、資金提供は選挙買収ではなく陣中見舞いで合法だという理屈だった。郷原信郎の予想と主張は、その正当化の論法をひっくり返すものである。そしてまた、次々と登場する「『安倍さんから』と言われた」という広島政界の告白ドミノは、資金提供が陣中見舞いではなく選挙買収だったことを裏づける有力な証拠だ。嘗て、13年前、山田洋行事件で守屋武昌を挙げたとき、検察は、接待ゴルフを賄賂と認定する新しい司法判断を示した。法律解釈を変えた。
その例を鑑みれば、郷原信郎の予想は十分な妥当性がある。果たして検察は、買収資金についてどのように説明するのだろう。誰を共犯者とするのだろう。90余件の買収容疑を足で確定した広島地検の検事たちは、明らかに安倍晋三の共謀共同正犯あるいは買収目的交付罪を認識し、渾身の捜査に徹している。
また、それを追いかけて取材する中国新聞の記者たちも、共犯者安倍晋三の存在を的確に捕捉し、巨大な獲物を仕留めるジャーナリズムに神経を注いでいる。中国新聞にも拍手と声援を送りたい。地方紙が力業で日本の政治を動かしている。
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昨日25日朝、「安倍さんから」と30万円を渡された広島の町議の証言をスクープした記事が中国新聞から配信され、ネット世界に激震が走って一日中大騒動になった。夜の民放のテレビ報道でも取り上げられ、一夜明けても余波と興奮が続いている。町議は河井案里の後援会長を務めた78歳の女性で、自民党支部の女性部長の地位にあったという地方政治の大物である。
朝、Yahooトップに上がった写真と見出しを見て、ニュースバリューの大きさに刮目させられ小躍りしたが、記事に添付された写真が実によく、読者がテキストに目を通す前に見出しに掲げた事件の意味を伝えきっている。構図がいい。中国新聞はエクセレントだ。地方紙の記事が全国的なニュースになって政界と世論に衝撃を与えるという例は滅多にないが、25日の爆弾記事は歴史を刻んだと言え、地方紙の記者を鼓舞する快挙だ。タイミングも絶妙で、完璧な政治ジャーナリズムの一撃だった。
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テレビ報道でも注目され、ネットでも論議になったポイントだが、県議は、「安倍さんの名前を聞き、断れなかった」と証言している。言い訳を言っているように見えるが、弁明に信憑性の要素がないわけではなく、政治の真実を考えさせられる。買収は同時に脅迫でもあるのだ。
二人きりになった場で、現金を押しつけられ、安倍晋三を取るか、溝手顕正を取るか、二者択一を迫られたのである。現金授受を拒否すれば、溝手顕正の陣営に回ったという態度表明になる。現金を受け取れば、溝手顕正から離反したという証になる。受け取れば、その情報は内々に溝手陣営に流され、繁政秀子のショー・ザ・フラッグが広島地方政界の既成事実になる。拒否すれば、安倍晋三に報告され、その後の党県連を通じた仕置きを覚悟しなければならない。「安倍さんの名前を聞き、断れなかった」という判断は、組織による制裁で難に遭うのを恐れたという深刻な理由からだ。
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広島県の自民党の人間なら、溝手顕正と安倍晋三の確執と暗闘は誰でも承知している常識事項で、安倍晋三が河井案里を二人目の候補に立ててきたということは、目的はただ一つ、溝手顕正を落選させるためである。私怨と復讐が案里擁立の動機であり、安倍晋三は2議席取ろうなどという考えは毛頭ない。そのことは広島の政界関係者なら誰でも知るところであり、現金の意味はそういうことで、違法行為の共犯者になることで安倍晋三への忠誠を誓わされ、溝手顕正との絶縁を踏み絵させられたのである。密室で即座の態度決定を強要され、汚い現金を受け取らざるを得ない状況に追い込まれた。選挙買収での切り崩しの調略というのは、なるほどこのように行われるのかという、実弾作戦行使の現場を教える実例であり、町議の葛藤が生々しい。いずれにせよ、この証言が飛び出したことで、この選挙買収事件の共犯者として安倍晋三の姿が大きく浮かび上がった。
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買収原資の供与者が安倍晋三である事実の傍証となった点で、この中国新聞の報道は画期的だ。証言は証拠の一つである。殺人の目撃証言は証拠として採用される。河井克行・案里の買収資金は誰が調達したのか、今、誰もが知りたいのはその点で、検察が起訴状でその事実をどう説明し立証するのか固唾をのんで見守っている。検察リークで資金についてどう解明し暴露するのか、自民党本部や官邸の家宅捜索はあるのかに焦点が当たっている。
状況証拠からは、安倍晋三が1億5000万円を用意して買収工作に使わせたことは間違いなく、国民全員がその推測に確信を持っているだろう。状況証拠とは動機の所在である。すなわち、安倍晋三と溝手顕正の間の確執と遺恨の関係および経過に他ならない。動機は明快で客観的に納得し得る。然らば、それを証拠づける何かがあるかだが、これまで具体的な傍証は何もなかった。その意味で、今回の町議の証言は説得力がある。
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昨日25日は、赤旗からもスクープ報道があり、昨年、河井克行が単独で9度も安倍晋三と官邸で面会しており、その前後に大量の資金が河井克行管理の支部口座に振り込まれている事実が明らかにされた。赤旗の記事を元に日刊ゲンダイがさらに分かりやすい時系列の表に纏めていて、1億5000万円は4回に分けて振り込まれている。
その都度、安倍晋三は河井克行と単独で面談しており、その時間も1回に20分から35分と長い。逐一、河井克行から札束作戦の計画と結果が報告されていたわけで、安倍晋三がいかに溝手顕正を憎悪し、その落選に執念を燃やしていたかが窺い知れる。「カネを渡すときはオレの名前を必ず出せ、いいか、忘れるなよ」と厳命したことだろう。指示に忠実に従った河井克行は全県隈なく買収(脅迫)に狂奔して安倍晋三の悲願を達成させた。この赤旗の報道も傍証であり、安倍晋三の関与が否定できなくなる根拠となる。こうして、心証としては事件は明確な像を描き、パズルの欠陥ピースはなく、検察の動きを待つだけとなった。
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24日、野党がこの事件の「実態解明チーム」が発足させて初会合を開いたが、その席に招かれた郷原信郎が次のように発言していて興味深い。「これまで早い段階での活動は地盤培養行為として買収を適用してこなかったが、それを立件して河井夫妻を逮捕した」「(これまでより)ハードルを下げて買収の摘発を行ったことで、ルビコン川を渡ったと言っていい」。
この解説を額面どおり受け取ってよいかどうかは分からないし、検察に期待を持ちすぎるのも躊躇と警戒の念を覚えるけれど、河井案里が逮捕前にずっと無実を強弁していたのは、資金提供は選挙買収ではなく陣中見舞いで合法だという理屈だった。郷原信郎の予想と主張は、その正当化の論法をひっくり返すものである。そしてまた、次々と登場する「『安倍さんから』と言われた」という広島政界の告白ドミノは、資金提供が陣中見舞いではなく選挙買収だったことを裏づける有力な証拠だ。嘗て、13年前、山田洋行事件で守屋武昌を挙げたとき、検察は、接待ゴルフを賄賂と認定する新しい司法判断を示した。法律解釈を変えた。
その例を鑑みれば、郷原信郎の予想は十分な妥当性がある。果たして検察は、買収資金についてどのように説明するのだろう。誰を共犯者とするのだろう。90余件の買収容疑を足で確定した広島地検の検事たちは、明らかに安倍晋三の共謀共同正犯あるいは買収目的交付罪を認識し、渾身の捜査に徹している。
また、それを追いかけて取材する中国新聞の記者たちも、共犯者安倍晋三の存在を的確に捕捉し、巨大な獲物を仕留めるジャーナリズムに神経を注いでいる。中国新聞にも拍手と声援を送りたい。地方紙が力業で日本の政治を動かしている。