共謀罪NO!実行委と「秘密保護法」廃止へ!実行委がスーパーシティ法案を廃案にしよう!という声明を5月17日に出しました。 以下、紹介します。
声明 : 「スーパーシティ」法案を廃案にしよう!
衆議院本会議では4月16日に可決され、現在参議院においていわゆる「スーパーシティ」法案(国家戦略特別区域法改定法)の審議が始まっています。この法案は昨年の通常国会で廃案になり、臨時国会でも提出見送りとなったものです。
スーパーシティ構想とは、人工知能(AI)やビッグデータなどの 最先端の技術を活用し、未来の暮らしを先行実現する「まるごと 未来都市」をつくるものだと言われています。
具体的には「自動走行」 「ドローンでの自動配送」「キャッシュレス決済」「行政サービスのIT 化」「オンライン診療」「遠隔教育」「エネルギー、ごみ、水道などのスマートシステム」「防犯・安全のためのロボット監視」など多くのメニューが 例示され、少なくとも5つの領域を同時に行うことが指定を受ける要件とされています。
私たちはこの法案は、世界のプライバシー、個人情報保護の流れに逆行するものであり、廃案にすべきであると考えます。
私たちはこの法案に関する重大な問題点を以下に二点指摘したいと思います。
第一に、こうした構想は住民のニーズに基づいたものとならず、決定されたサービスを享受したくなくても、自分の情報やサービスの提供を拒否することができないことです。
私たちは国や自治体、企業に対して自らの欲するサービスを享受するために自らの情報を提供しています。私たちの住む自治体は長い時間をかけて、私たちの様々な情報に基づき、その自治体にあったサービスを研究し、提供してきました。
今回の法案はそうした地域自治の理念に基づくものではなく、国や企業の求める効率優先の規制緩和を行うものでしかありません。よってスーパーシティ構想とは、地方自治を破壊するものです。
衆議院の審議においても、本人同意がどういう過程で保障されるのか、サービス拒否が可能なのか、という点についての政府答弁は極めて曖昧なものであり、到底納得のいくものではありません。
スーパーシティは無人の場所に作られるものではありません。長年生きてきた住民が住まう場所に作られるものである以上、住民同意が最優先されなくてはなりません。
第二に、住民の個人データが一元的に管理・利用され、監視社会に道を開く危険性が高いことです。
現在国や自治体や企業はその都市の住民に関するデータを別々なルールに従って別々に管理運用しています。今回の法案の目的は、様々に張り巡らされている規制を取り払って個人データを一元化し、住民に対して「高い利便性」を提供しようとするものだとしています。
これは、「国家戦略特区データ連携基盤」に住民の個人データを集中させ、サービス提供のために規制を取り払って自由に使用できるようにするものです。
内閣府は中国杭州市の事例として無人コンビニの展開を上げています。無人コンビニではスマホアプリも必要としない顔認証でのキャッシュレス支払いが可能となるとしています。
もちろんこれは利用者の本人同意がなければできませんが、顔認証システムの利用目的の限定や口座情報との連動など新たなルール作りが必要であるばかりでなく、様々な規制のため日本においては実現不可能です。最近実証実験がなされ、話題となった大阪の地下鉄で顔認証による自動運賃支払システムがこれに近いものです。
確かにこうした規制を緩和して住民情報を一元的に管理することによって利便性を高めることは可能でしょう。そしてどういうメニューを選択するかは住民の合意に基づくと説明されています。
しかし、これまでの国家戦略特区の在り方を見ているとその説明を鵜呑みにするわけにはいきません。特区担当大臣・首長・事業者などで構成する「区域会議」が住民の意向を受けて実施事業を選択することになっていますが、住民の意向の反映についてはかなり怪しいと思われます。
しかも「区域会議」から提案を受け取った首相が関係省庁に特例措置の検討を要請できる「総理認定」という仕組みが用意されており、首相に包括的に規制緩和の対象を特定できる権能を与えています。
先述のような顔認証を利用したキャッシュレスサービスと現在コロナ封じ込めのために使用されているコンタクトトレーシングの位置情報が合体したらどうなるでしょうか。
それは究極の住民監視システムの構築を可能とするものです。
今回の法案は、国や企業の求める効率優先の規制緩和を行うも
のでしかありません。なおかつ私たちの貴重な個人情報は私たちの手
の届かないところで共有化され、私たちを監視管理していく高度な
監視社会への危険性を孕むものです。
この法案は現在進行しているコロナ禍の真っ只中で提出されている
「コロナ便乗法案」であり、多くの市民は法案の存在や問題点も知ら
ないまま、成立させられようとしています。監視社会への道を開き、
不要不急でない本法案は再度廃案とすることを強く求めます。
2020年5月17日
共謀罪NO!実行委員会
「秘密保護法」廃止へ!実行委員会
声明 : 「スーパーシティ」法案を廃案にしよう!
衆議院本会議では4月16日に可決され、現在参議院においていわゆる「スーパーシティ」法案(国家戦略特別区域法改定法)の審議が始まっています。この法案は昨年の通常国会で廃案になり、臨時国会でも提出見送りとなったものです。
スーパーシティ構想とは、人工知能(AI)やビッグデータなどの 最先端の技術を活用し、未来の暮らしを先行実現する「まるごと 未来都市」をつくるものだと言われています。
具体的には「自動走行」 「ドローンでの自動配送」「キャッシュレス決済」「行政サービスのIT 化」「オンライン診療」「遠隔教育」「エネルギー、ごみ、水道などのスマートシステム」「防犯・安全のためのロボット監視」など多くのメニューが 例示され、少なくとも5つの領域を同時に行うことが指定を受ける要件とされています。
私たちはこの法案は、世界のプライバシー、個人情報保護の流れに逆行するものであり、廃案にすべきであると考えます。
私たちはこの法案に関する重大な問題点を以下に二点指摘したいと思います。
第一に、こうした構想は住民のニーズに基づいたものとならず、決定されたサービスを享受したくなくても、自分の情報やサービスの提供を拒否することができないことです。
私たちは国や自治体、企業に対して自らの欲するサービスを享受するために自らの情報を提供しています。私たちの住む自治体は長い時間をかけて、私たちの様々な情報に基づき、その自治体にあったサービスを研究し、提供してきました。
今回の法案はそうした地域自治の理念に基づくものではなく、国や企業の求める効率優先の規制緩和を行うものでしかありません。よってスーパーシティ構想とは、地方自治を破壊するものです。
衆議院の審議においても、本人同意がどういう過程で保障されるのか、サービス拒否が可能なのか、という点についての政府答弁は極めて曖昧なものであり、到底納得のいくものではありません。
スーパーシティは無人の場所に作られるものではありません。長年生きてきた住民が住まう場所に作られるものである以上、住民同意が最優先されなくてはなりません。
第二に、住民の個人データが一元的に管理・利用され、監視社会に道を開く危険性が高いことです。
現在国や自治体や企業はその都市の住民に関するデータを別々なルールに従って別々に管理運用しています。今回の法案の目的は、様々に張り巡らされている規制を取り払って個人データを一元化し、住民に対して「高い利便性」を提供しようとするものだとしています。
これは、「国家戦略特区データ連携基盤」に住民の個人データを集中させ、サービス提供のために規制を取り払って自由に使用できるようにするものです。
内閣府は中国杭州市の事例として無人コンビニの展開を上げています。無人コンビニではスマホアプリも必要としない顔認証でのキャッシュレス支払いが可能となるとしています。
もちろんこれは利用者の本人同意がなければできませんが、顔認証システムの利用目的の限定や口座情報との連動など新たなルール作りが必要であるばかりでなく、様々な規制のため日本においては実現不可能です。最近実証実験がなされ、話題となった大阪の地下鉄で顔認証による自動運賃支払システムがこれに近いものです。
確かにこうした規制を緩和して住民情報を一元的に管理することによって利便性を高めることは可能でしょう。そしてどういうメニューを選択するかは住民の合意に基づくと説明されています。
しかし、これまでの国家戦略特区の在り方を見ているとその説明を鵜呑みにするわけにはいきません。特区担当大臣・首長・事業者などで構成する「区域会議」が住民の意向を受けて実施事業を選択することになっていますが、住民の意向の反映についてはかなり怪しいと思われます。
しかも「区域会議」から提案を受け取った首相が関係省庁に特例措置の検討を要請できる「総理認定」という仕組みが用意されており、首相に包括的に規制緩和の対象を特定できる権能を与えています。
先述のような顔認証を利用したキャッシュレスサービスと現在コロナ封じ込めのために使用されているコンタクトトレーシングの位置情報が合体したらどうなるでしょうか。
それは究極の住民監視システムの構築を可能とするものです。
今回の法案は、国や企業の求める効率優先の規制緩和を行うも
のでしかありません。なおかつ私たちの貴重な個人情報は私たちの手
の届かないところで共有化され、私たちを監視管理していく高度な
監視社会への危険性を孕むものです。
この法案は現在進行しているコロナ禍の真っ只中で提出されている
「コロナ便乗法案」であり、多くの市民は法案の存在や問題点も知ら
ないまま、成立させられようとしています。監視社会への道を開き、
不要不急でない本法案は再度廃案とすることを強く求めます。
2020年5月17日
共謀罪NO!実行委員会
「秘密保護法」廃止へ!実行委員会