三月ってのは
北海道の子供時代
いちばん好きだった季節だった
それまでスキーで
学校へと通ってたのが
歩いて行けるようになった
待ちに待った凍雪の季節が
とうとうやって来たんだと
あれこれと予定を立てていた子供時代
近所の山へと出かけて
兎の罠を仕掛けたり
昼間の太陽で溶けた雪面が深夜凍りついて
どこまでも真っ直ぐ歩いてゆける季節だった
山奥深くでのザリガニ採りやヤマメ釣り
オンコ(イチイ)の樹を採りに行ったり
今年はどこの源流や名もない湖を
探険しようかなと夢想していた三月
雪解けの森のあちこちからは
もう花開きはじめた福寿草やカタクリの薄紫
エゾエンゴサクの深い青への風のかぐわしさ
あの頃の君の言葉がふっと蘇るときがある
スウェーデン映画「まるで犬みたいな人生」みたいに
雪道の帰り道でむっと
「あんたなんか大嫌い」という君の口許を
じっと見つめて立ち尽くしてたぼく
「大嫌い」というのは
「大好き」という
究極の表現だと知ったのはつい最近のこと
北海道の子供時代
いちばん好きだった季節だった
それまでスキーで
学校へと通ってたのが
歩いて行けるようになった
待ちに待った凍雪の季節が
とうとうやって来たんだと
あれこれと予定を立てていた子供時代
近所の山へと出かけて
兎の罠を仕掛けたり
昼間の太陽で溶けた雪面が深夜凍りついて
どこまでも真っ直ぐ歩いてゆける季節だった
山奥深くでのザリガニ採りやヤマメ釣り
オンコ(イチイ)の樹を採りに行ったり
今年はどこの源流や名もない湖を
探険しようかなと夢想していた三月
雪解けの森のあちこちからは
もう花開きはじめた福寿草やカタクリの薄紫
エゾエンゴサクの深い青への風のかぐわしさ
あの頃の君の言葉がふっと蘇るときがある
スウェーデン映画「まるで犬みたいな人生」みたいに
雪道の帰り道でむっと
「あんたなんか大嫌い」という君の口許を
じっと見つめて立ち尽くしてたぼく
「大嫌い」というのは
「大好き」という
究極の表現だと知ったのはつい最近のこと