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Channel: 詩人PIKKIのひとこと日記&詩
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最新の詩  陰々滅々    山口百恵『曼珠沙華 』  ランボー・ボードレーヌ・高内壮介

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日本人は親の敵のように
暗いというのを憎む

誰も好きで
暗い顔や暗い声という訳じゃないのに
嫌な顔をされ全面否定される

みんな明るい声で
「天皇陛下万歳」「南無妙法蓮華経」が大好きな国民
明治時代からまるで進化していない

天皇制的な官僚支配の上にこうなので
ますます気が滅入って
より暗い顔と暗い声になってゆく

 

 ▼喜ぶべきが悲しむべきか、いままで好きになった女性はみんな山口百恵に似・・『曼珠沙華 』ー『ここ』

 

戟叉の一撃
火の雫
いいとも、けっこうさ

もう一度
探しだそう
永遠を

それはきらめく太陽と海

待ちわびた魂よ
ともにつぶやこう
空しい夜と
烈火の昼の
せつない思いを!
            (アルチュール・ランボー『地獄の季節』より)

 

『悪の華』ボードレールと『花地獄』高内壮介

われ、傷にして刀なり
掌にして打たるる頬なり
四肢にしてかつ拷問車
死刑の囚徒かつ刑吏なり
われ、わが心の吸血鬼なり・・
  (『悪の華』斉藤磯雄訳)

全滅に向っていることもしらない
遠い雪中行軍のような音が
ぽつんと、ことこきれてしまうと
しんしん淋しさがつもってきて
どうしようもなく
夜の夜中に
なま玉子をのむ
(『花地獄』高内壮介「水仙」より)

数億年も生きている
さかなのはらわたの中に
のまれてしまうと
俺も、お前も
めくらのむきみとなり
血の虹や、雨の線が
俺のもう盲膜をかすめる時
俺のガスは
よじれあう
おんなの口から
俺の
どろどろの奥へ
しみとおってくるのだ
(『花地獄』高内壮介「浄夜」より)

 


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