コロナ対策・学ぶべき「韓国モデル」
2020年03月31日 | 安倍政権と日韓関係
安倍政権が東京五輪強行の思惑から、新型コロナウイルス感染検査を抑制し、「延期」と同時に感染者数の発表が急増したことは昨日書きました。こうした安倍政権の政略が、感染のまん延・重症化を招く危険はきわめて大きいといわねばなりません。
そんな安倍政権とは対照的に、早期に広範に検査を行い、感染状況を把握して対策を行った結果、重症化を抑え、致死率を極めて低く抑えている国があります。お隣の韓国です(日本の致死率は30日現在約3・0%、韓国は21日のNHK報道では1・4%)。「韓国モデル」は世界から注目されています。
カナダのトルドー首相は3月26日、文在寅大統領と電話で会談し、韓国の対応を高く評価しました。
「トルドー首相は『科学を基盤とし、MERS(中東呼吸器症候群)当時の経験を生かした韓国の対応は、国民の安全を守るのに成果をあげながらも、医療体系に過度な負担をかけていない』とし、『カナダも韓国に類似したモデルを目指したい』と述べたと、カン・ミンソク大統領府報道官が伝えた。
トルドー首相は特に、『韓国で行われた広範囲で速い検査、接触者の追跡は非常に重要だと考えている。韓国から学びたい』とし、『韓国のデータを得られれば多くの教訓を学ぶことができるだろう。カナダと韓国保健当局が対話できるよう、協力してほしい』と要請した」(27日付ハンギョレ新聞日本語電子版)
カナダだけではありません。韓国同様、感染者数は多いものの、重症化・致死率をきわめて低く抑えている国がイスラエルです。イスラエルの当局者は「韓国を手本にしている」と述べています(21日のNHKラジオニュース)。
こうした文政権の先駆的対応によって、韓国国内は日本とまったく異なる状況になっています。
ソウル在住の友人が、ブログで「韓国で買いだめが起きない理由」をレポートしています(「シンナラ・カンコク」http://sinnara9.com/stock-up/)
「韓国ではいつもと変わらずスーパーの棚にはたくさんの品物が並んでいます。マスクはソウルの街中で買えます。もちろんオンラインでも買えます」(写真左はマスク=3月27日撮影、中は日用品=26日撮影。いずれもソウル市内。同ブログより)
韓国では「なぜ買いだめが起こらないのか」という特集番組が放送されました。主な理由は、① SARSや新型インフルエンザ、マーズの経験から、韓国の流通業界は非常時の需要を想定し多くの蓄えをしてきた②オンライン配送の物流システムの発達で一時的な需要の増加にも耐えられる③ほとんどの大型マートが全国配送システムを備え、独自のオンラインモールを持っている―だといいます。
それに加えて友人は、「韓国で買いだめ現象が起きないのは精神的な理由が大きい」と言います。
「韓国は早い時期からコロナ19に対し、総力をあげて対応してきました。感染を避けるためにどのように生活したらよいか、感染の経緯、検査数、地域ごとの新たな確定診断者、死亡、完治数などはリアルタイムで常にテレビ画面上を流れます」
徹底した情報の公開・共有。これは台湾も同じです。
「現状を伝えるのは文在寅大統領でもあり(写真右)、中央防疫対策本部長やソウル市長などが、時間をたっぷりとって事実を報告し、丁寧に質問に答え、語りかけます」
記者が手を挙げているのにわずか15分の質疑で会見を打ち切った安倍首相(2月29日)とは雲泥の差です。
「事実と状況を知り、感染しないため、また体調が悪くなればどう行動したらよいのか、わかっている安心感がとても大きいです。状況を知らせる報道の合間には、感染で苦しんでいる人や現場で尽力している医療陣に、また初めての事態に戸惑っているすべての人に向けたメッセージが流れます。
例えば中央防疫対策本部長は会見のたびにこう語りかけます。『苦しい状況を経て感染症を克服している確定診断者と家族、そして苦しい生活を送っている自家隔離者、また完治者の方々にあたたかい配慮とお疲れさま、という応援をお願いいたします』。毎日繰り返し、このような言葉を聞いていることで、精神的に落ち着いていられます。韓国に住むすべての人に安心感を与えてくれます。
温かく、おせっかいでもあり困っている隣人を助ける国民性。それはこれまでの歴史の中で長い時間をかけて少しずつ形成されたものです。いまの韓国では、何かあっても国が、社会が、隣人が、誰かが助けてくれる、という安心感があります。そしてわたしも隣人を助けたい、という思いがあります」
友人は最後のこう呼びかけます。
「韓国は早い段階から積極的な防疫対策を行ってきました。コロナ19に対する対応は、国ごとにまったく異なりますが、オリンピック開催のため、感染者を少なく見せようとしてきた日本の姿勢は、外国では周知の事実です。本当に心配しています。手作りマスクでもなんでもいいんです。今は身を守ってください!」
2020年03月31日 | 安倍政権と日韓関係
安倍政権が東京五輪強行の思惑から、新型コロナウイルス感染検査を抑制し、「延期」と同時に感染者数の発表が急増したことは昨日書きました。こうした安倍政権の政略が、感染のまん延・重症化を招く危険はきわめて大きいといわねばなりません。
そんな安倍政権とは対照的に、早期に広範に検査を行い、感染状況を把握して対策を行った結果、重症化を抑え、致死率を極めて低く抑えている国があります。お隣の韓国です(日本の致死率は30日現在約3・0%、韓国は21日のNHK報道では1・4%)。「韓国モデル」は世界から注目されています。
カナダのトルドー首相は3月26日、文在寅大統領と電話で会談し、韓国の対応を高く評価しました。
「トルドー首相は『科学を基盤とし、MERS(中東呼吸器症候群)当時の経験を生かした韓国の対応は、国民の安全を守るのに成果をあげながらも、医療体系に過度な負担をかけていない』とし、『カナダも韓国に類似したモデルを目指したい』と述べたと、カン・ミンソク大統領府報道官が伝えた。
トルドー首相は特に、『韓国で行われた広範囲で速い検査、接触者の追跡は非常に重要だと考えている。韓国から学びたい』とし、『韓国のデータを得られれば多くの教訓を学ぶことができるだろう。カナダと韓国保健当局が対話できるよう、協力してほしい』と要請した」(27日付ハンギョレ新聞日本語電子版)
カナダだけではありません。韓国同様、感染者数は多いものの、重症化・致死率をきわめて低く抑えている国がイスラエルです。イスラエルの当局者は「韓国を手本にしている」と述べています(21日のNHKラジオニュース)。
こうした文政権の先駆的対応によって、韓国国内は日本とまったく異なる状況になっています。
ソウル在住の友人が、ブログで「韓国で買いだめが起きない理由」をレポートしています(「シンナラ・カンコク」http://sinnara9.com/stock-up/)
「韓国ではいつもと変わらずスーパーの棚にはたくさんの品物が並んでいます。マスクはソウルの街中で買えます。もちろんオンラインでも買えます」(写真左はマスク=3月27日撮影、中は日用品=26日撮影。いずれもソウル市内。同ブログより)
韓国では「なぜ買いだめが起こらないのか」という特集番組が放送されました。主な理由は、① SARSや新型インフルエンザ、マーズの経験から、韓国の流通業界は非常時の需要を想定し多くの蓄えをしてきた②オンライン配送の物流システムの発達で一時的な需要の増加にも耐えられる③ほとんどの大型マートが全国配送システムを備え、独自のオンラインモールを持っている―だといいます。
それに加えて友人は、「韓国で買いだめ現象が起きないのは精神的な理由が大きい」と言います。
「韓国は早い時期からコロナ19に対し、総力をあげて対応してきました。感染を避けるためにどのように生活したらよいか、感染の経緯、検査数、地域ごとの新たな確定診断者、死亡、完治数などはリアルタイムで常にテレビ画面上を流れます」
徹底した情報の公開・共有。これは台湾も同じです。
「現状を伝えるのは文在寅大統領でもあり(写真右)、中央防疫対策本部長やソウル市長などが、時間をたっぷりとって事実を報告し、丁寧に質問に答え、語りかけます」
記者が手を挙げているのにわずか15分の質疑で会見を打ち切った安倍首相(2月29日)とは雲泥の差です。
「事実と状況を知り、感染しないため、また体調が悪くなればどう行動したらよいのか、わかっている安心感がとても大きいです。状況を知らせる報道の合間には、感染で苦しんでいる人や現場で尽力している医療陣に、また初めての事態に戸惑っているすべての人に向けたメッセージが流れます。
例えば中央防疫対策本部長は会見のたびにこう語りかけます。『苦しい状況を経て感染症を克服している確定診断者と家族、そして苦しい生活を送っている自家隔離者、また完治者の方々にあたたかい配慮とお疲れさま、という応援をお願いいたします』。毎日繰り返し、このような言葉を聞いていることで、精神的に落ち着いていられます。韓国に住むすべての人に安心感を与えてくれます。
温かく、おせっかいでもあり困っている隣人を助ける国民性。それはこれまでの歴史の中で長い時間をかけて少しずつ形成されたものです。いまの韓国では、何かあっても国が、社会が、隣人が、誰かが助けてくれる、という安心感があります。そしてわたしも隣人を助けたい、という思いがあります」
友人は最後のこう呼びかけます。
「韓国は早い段階から積極的な防疫対策を行ってきました。コロナ19に対する対応は、国ごとにまったく異なりますが、オリンピック開催のため、感染者を少なく見せようとしてきた日本の姿勢は、外国では周知の事実です。本当に心配しています。手作りマスクでもなんでもいいんです。今は身を守ってください!」