カナダの最新状況 : Covid19 騒動の一番の問題は経済問題
長谷川澄(モントリオール) *レイバーネットMLから
サンフランシスコの和美さんが、くわしくサンフランシスコの状況を報告してくださっているので、私もモントリオールやカナダのことをと思いつつ、自分自身が体調を崩していて、出来ませんでした(Covid19ではありません)。
カナダ全体では、BC州とオンタリオ州が被害が多く、その二つだけで、陽性が確認された人が800人くらい、ケベック州は今は190人くらい、カナダ全国で1200人くらいの陽性が確認され、亡くなった方は19人です。でもこれはどんどん変わって行くし、最悪の事態はこれからと言われています。
ケベック州はCovid19が始まってすぐ、Covid19ホットラインが出来、そこで、検査が必要とされた人が検査を受けることになっていましたが、来週からは、そこを通さず、自分で行って、検査が出来るようになるので、陽性はもっと増えるでしょう。検査は無料です。陽性であっても、症状が軽いとか、殆ど無い人が多いので、その人達を全て隔離することが大事です。そのためには、検査がどんどん進まなければいけないので、日本は、本当に治まっているのかと疑ってしまいます。
ホームレスの人達のシェルターは、それでなくとも満員の状態で、ここで陽性の人が出たら、隔離などできないので、建て替えて、今は使っていない病院をそのための施設に市が提供しました。つまり、症状が軽かったり、なかったりしても陽性反応したホームレスの人は、その古い病院の個室で、隔離生活してもらい、食事などは、シェルターの人が担当するらしいです。まずは50室、必要なら150室まで可能と新聞に書いてありました。
カナダは国境を米国を含めて全て閉じ、外国に行くことはできません。外国だけでなく、国内でも移動をしないように要請しています。一人も陽性者がいなかった、北西領土(イヌイットの人達が主に住んでいる)にも、BC州への旅行から帰って来た人に陽性が出て、隔離されたりもしています。とにかく、70歳以上は、食料の買い出し、近所の散歩以外出かけないようにと毎日テレビ、ラジオで言っています。
スーパーの会計の処は、厚いビニールカーテンで客と隔離され、お札はばい菌だらけだから、原則、クレディト・カードか、銀行引き落としのカードで払わなければなりません。でも、私の連れ合いが会計を済ませてから、マッシュルームを買い忘れたことに気づき、同じ会計に行って、「2ドルだけでもカードじゃなければだめですか」と聞いたら、「細かいのを持っているなら、コインでも良いですよ」と言ってくれたそうです。会計がカーテンで隔離されているのは、今回のCovid19が始まってから、カナダ全体で行われていると思います。
カナダでも、ケベック州でもない、モントリオールだけのびっくりするようなことは、市バスが、やはり運転手を守るために厚いビニールで、運転席を囲っているのですが、料金箱もいっしょに囲っているから、料金は払えず、客は、無料で、後ろのドアから乗り降りしていることです。市バスと言っても、市が経営しているのではなく、STM(Societe de Transport de Montreal)という独立採算制の組織が、モントリオールの地下鉄とバスの全てを運営しています。普通でも、子どもの休み期間には、大人に連れられた12歳以下の子は無料だったりして、驚くこともあるのです。運転手さんの制服は一応あるものの、寒い時期は、その上に私物の大きなセーターなど着ているのは普通です。
組合の強いところで、バスの内、外に「団体交渉に応じよ!」などの紙が張り巡らされていることも珍しくありません。勿論、運転手さんを乗客から隔離するのが理由であっても、料金箱だけをその囲いから外すことが、技術的に不可能とも思えません。私はひそかに、組合の人達が「今回のCovid19騒動で、急に職を失った人がたくさんいるんだから、バスくらい無料にしちゃえ」とやっているんだろうと思っています。それにしても、いつまでも無料バスを走らせていることもできないだろうから、いつか、何かのかたちで、終わるとは思います。その時は、また報告します。
このCovid19の騒動の一番の問題は、経済問題です。この関連で、職を失った人は、自分の責任では勿論ないので、待機時間なしに失業保険が支払われます。失業保険は連邦政府なのですが、3月は去年の3月の2倍以上の人数に既に失業保険を支払っています。これからますます増えるのをきちんと支払えるのか見ていきます。この騒動で、小さいビジネスも大きな被害を受けています。その人達にどんな助けが出来るのか、火曜日にトリュドーが話すことが決まっています。
税金の申告、支払いは、いつもより2か月遅れの6月30日にすることに、州、連邦とも既に決まりました。ケベック州は、全くのビジネスマン出身の人が首相の新自由主義の政権です。この経済危機で弱者を救うことを最重要課題にはしないことは明らかで、これからが本当に心配です。
長谷川澄(モントリオール) *レイバーネットMLから
サンフランシスコの和美さんが、くわしくサンフランシスコの状況を報告してくださっているので、私もモントリオールやカナダのことをと思いつつ、自分自身が体調を崩していて、出来ませんでした(Covid19ではありません)。
カナダ全体では、BC州とオンタリオ州が被害が多く、その二つだけで、陽性が確認された人が800人くらい、ケベック州は今は190人くらい、カナダ全国で1200人くらいの陽性が確認され、亡くなった方は19人です。でもこれはどんどん変わって行くし、最悪の事態はこれからと言われています。
ケベック州はCovid19が始まってすぐ、Covid19ホットラインが出来、そこで、検査が必要とされた人が検査を受けることになっていましたが、来週からは、そこを通さず、自分で行って、検査が出来るようになるので、陽性はもっと増えるでしょう。検査は無料です。陽性であっても、症状が軽いとか、殆ど無い人が多いので、その人達を全て隔離することが大事です。そのためには、検査がどんどん進まなければいけないので、日本は、本当に治まっているのかと疑ってしまいます。
ホームレスの人達のシェルターは、それでなくとも満員の状態で、ここで陽性の人が出たら、隔離などできないので、建て替えて、今は使っていない病院をそのための施設に市が提供しました。つまり、症状が軽かったり、なかったりしても陽性反応したホームレスの人は、その古い病院の個室で、隔離生活してもらい、食事などは、シェルターの人が担当するらしいです。まずは50室、必要なら150室まで可能と新聞に書いてありました。
カナダは国境を米国を含めて全て閉じ、外国に行くことはできません。外国だけでなく、国内でも移動をしないように要請しています。一人も陽性者がいなかった、北西領土(イヌイットの人達が主に住んでいる)にも、BC州への旅行から帰って来た人に陽性が出て、隔離されたりもしています。とにかく、70歳以上は、食料の買い出し、近所の散歩以外出かけないようにと毎日テレビ、ラジオで言っています。
スーパーの会計の処は、厚いビニールカーテンで客と隔離され、お札はばい菌だらけだから、原則、クレディト・カードか、銀行引き落としのカードで払わなければなりません。でも、私の連れ合いが会計を済ませてから、マッシュルームを買い忘れたことに気づき、同じ会計に行って、「2ドルだけでもカードじゃなければだめですか」と聞いたら、「細かいのを持っているなら、コインでも良いですよ」と言ってくれたそうです。会計がカーテンで隔離されているのは、今回のCovid19が始まってから、カナダ全体で行われていると思います。
カナダでも、ケベック州でもない、モントリオールだけのびっくりするようなことは、市バスが、やはり運転手を守るために厚いビニールで、運転席を囲っているのですが、料金箱もいっしょに囲っているから、料金は払えず、客は、無料で、後ろのドアから乗り降りしていることです。市バスと言っても、市が経営しているのではなく、STM(Societe de Transport de Montreal)という独立採算制の組織が、モントリオールの地下鉄とバスの全てを運営しています。普通でも、子どもの休み期間には、大人に連れられた12歳以下の子は無料だったりして、驚くこともあるのです。運転手さんの制服は一応あるものの、寒い時期は、その上に私物の大きなセーターなど着ているのは普通です。
組合の強いところで、バスの内、外に「団体交渉に応じよ!」などの紙が張り巡らされていることも珍しくありません。勿論、運転手さんを乗客から隔離するのが理由であっても、料金箱だけをその囲いから外すことが、技術的に不可能とも思えません。私はひそかに、組合の人達が「今回のCovid19騒動で、急に職を失った人がたくさんいるんだから、バスくらい無料にしちゃえ」とやっているんだろうと思っています。それにしても、いつまでも無料バスを走らせていることもできないだろうから、いつか、何かのかたちで、終わるとは思います。その時は、また報告します。
このCovid19の騒動の一番の問題は、経済問題です。この関連で、職を失った人は、自分の責任では勿論ないので、待機時間なしに失業保険が支払われます。失業保険は連邦政府なのですが、3月は去年の3月の2倍以上の人数に既に失業保険を支払っています。これからますます増えるのをきちんと支払えるのか見ていきます。この騒動で、小さいビジネスも大きな被害を受けています。その人達にどんな助けが出来るのか、火曜日にトリュドーが話すことが決まっています。
税金の申告、支払いは、いつもより2か月遅れの6月30日にすることに、州、連邦とも既に決まりました。ケベック州は、全くのビジネスマン出身の人が首相の新自由主義の政権です。この経済危機で弱者を救うことを最重要課題にはしないことは明らかで、これからが本当に心配です。