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Channel: 詩人PIKKIのひとこと日記&詩
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日本でも医療崩壊が始まっている - トリアージを静かに示唆する愛知県 世に倦む日日

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先週、毎日のように愛知県で新型コロナウィルスによる死亡者の発表が相次いだ。10日に2人、11日に2人、12日に3人、13日に2人、14日に1人、15日に1人。愛知県の死者は全国で最も多い12人となり、国内の死者数31人のうち4割弱を占める結果となっている。

愛知県の感染者数は121人(3/15)なので、致死率9.9%という驚異的な高さとなる。この数字はイタリアの致死率7.3%を上回る。この恐るべき現実に焦点を当てるマスコミ報道がなく、なぜ愛知県がかくも致死率が高いのか議論が起きない。不思議なことだ。誰も言わないから先に指摘しておこう。愛知県は真面目に正直に対処しているのだ。全国に先駆けてトリアージを行っているのである。非情なトリアージを粛々と断行し、別の重症者の治療のために順番にICUを空けている。そこまで事態は過酷に追い詰められているのだ。日本は検査してないから可視化されないだけで、状況の深刻度はイタリアと変わらない。


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愛知県・名古屋市は言挙げせず、トリアージをトリアージと言わず、冷徹に、救命余地のない重患高齢者への治療を断念しているのである。少しでも救命確率の高い者を集中治療室に入れるため、名古屋市周辺の病院の医療崩壊を防ぐため。われわれは、物言わぬ愛知県のメッセージを厳粛に受け止めるべきだろう。

愛知県の死亡者の急増は決して偶然ではなく、全国の感染症指定医療機関がキャパオーバーの状態にあり、ICUの資源を確保するためトリアージ発動の段階に至っていることを、愛知県は暗黙裏に行動で示唆しているのである。おそらく、和歌山県の野尻孝子のような実務のリーダーがいて、現場(健康福祉局・保健医療局)で采配しているのだろう。無論、人の命に関わることだから、一人一人の判断について最高責任者である河村たかし・大村秀章の承認プロセスが入っていることは疑えない。和歌山も、愛知も、知事が政府から相対的に独立した権力位置にあるため、かく独自の保健行政が推進できるのだろう。


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愛知県では死者12人が出て、日本国内の死者の4割を占めたが、この「異常」についてマスコミは騒がない。知らんぷりしている。意味を説明しない。見て見ぬふりをし、私のような無名の評論家に提起させ、それに対してランサーズ右翼工作員に「デマだ、陰謀論だあ」と攻撃を浴びせさせ、そうした底辺の匿名ネット言論の悶着を通じて、大衆に薄々の事情察知を浸透させ、既成事実化させている。日本らしい。日本らしい説明と納得の政治図だ。

だが、いずれにしても、先週からの愛知県での異常な死亡者急増について、科学的で合理的な理由を探索するならば、日本でのトリアージの開始という厳しい結論と推理を仮説として考えるしかない。では、それでは、東京や神奈川はなぜ死亡者が少ないのか。その真相についても見当をつける必要がある。仮説を与えないといけない。それは、おそらく「ただの肺炎死」として処理されているということだ。検査しなければ、コロナに感染した死亡者とは認定されず、数に計上されない。


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先週13日の報ステに出演した横浜市立病院の立川夏夫は、PCR検査を「帰国者・接触者外来」が増やせないのは、入院患者のキャパの問題があり、収容できる病床数に限界があるからだと解説していた。この説明づけは納得できるものだ。立川夏夫には御用医師の影や臭いがなく、臨床医師として言葉が信用できる。

クルーズ船から予定外の大量の感染者を受け入れてしまった首都圏の病院は、病床が満杯で、重症化した患者がICUを埋めている現状にある。その中には人工呼吸器を装着した外国人が多数いる。ここから先は私見による推測だが、クルーズ船から運び込まれた米国人重症者は、愛知県のように冷徹にトリアージの対象にすることができないのである。国際問題になる可能性がある。米国のマスコミが騒ぐし、微妙になっている東京五輪開催の世論に影響する。現時点(3/16)で、トランプはまだ日本からの入国に禁止措置を発令していない。しかし、米国人の乗船客から死者続出となると、米国内の世論の波紋は小さく収まることはあるまい。


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誰よりも東京五輪開催に執着している小池百合子は、頑としてPCR検査の拡充は阻止するのであり、東京でのPCR検査数を増やさず、東京での感染者を出さず、東京での重症者と死者を出さないと決意している。そのため、隠蔽に徹している。だから、東京都の感染者は愛知県の4分の3の81人(3/15)しかなく、東京都の「相談センター」に電話した者の99%が検査を拒絶されているのだ。

都に住む庶民は検査から隔絶され、病院をたらい回しされている。検査をしなければ感染者は増えない。死者も増えない。当然のことだ。注目すべきは、愛知県の死者12人(3/15)のうち、8日の1人、10日の1人、11日の1人の3人が、死後の検査と診断でウィルス感染が確認されている事実である。愛知県は、肺炎以外の死亡者でもコロナ感染を疑って検査している点が特徴であり、感染実態の正確な把握に前向きだ。死亡者を隠さず出すリアリズムと相俟って、他の都府県と比較して透明性の高い対応が窺える。科学的態度が看取され、隠蔽しない姿勢に好感が持てる。


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東京都では、2月1日から3月10までの間に、1万9496件の電話相談を受け、その中で僅か216件だけがPCR検査に繋げられている。1%だけが検査に拾われ、99%が門前払いで切り捨てられた。告発がありながらも、ずっとそれが続いている。

この問題は、和歌山県の25条の理念に即した検査実施行政と比較され、先週のマスコミ報道の最大の関心事となり話題となったが、マスコミは和歌山県を評価したけれど、東京都の人権蹂躙を批判することはやらない。何より重要な問題として考えなければいけないのは、電話相談で保健所にガチャ切りされた99%、1万9280人の中にどれほど本当の感染者がいるかという点である。「相談センター」に電話が繋がるまで2時間を要する。そこまで苦労して電話するのは、よほど症状に自覚があり不安があるからだ。冷やかしではできない。東京都は99%を拒否し、大阪府は98%を拒否してきた。これらの市民については検査対象とせず、市中を自由に行動させている。当然、この中に含まれているはずの相当数の感染者が、街の密閉空間でウィルスを拡散しているだろう。


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政府と専門家会議は、絞った検査体制での感染者数を実数として捉え、それを前提にして現状を判断し対策を考えている。欧州諸国と比べても、とにかく圧倒的に検査数が少ない。したがって、日本の感染者数は客観的に信用できるデータではなく、検査から漏れた感染者が数多く市中にいて、半ば自然治癒し、半ば感染を連鎖拡大して現在に至っている

愛知県の数はある程度信用できるが、東京都と首都圏各県と大阪府の数は全く信用できない。東京都の実際の感染者は10倍いるだろうし、日本全体での感染者数も発表値の10倍はいるだろう。問題は、こうして隠蔽され無視された感染者が後々どう影響するかということである。ランサーズ右翼工作員によれば、別に構わないじゃないかという意見になり、その方がイタリアのような医療崩壊を引き起こさず、社会経済活動をフリーズさせず、国民全体が自然に感染しながら抗体を作って凌いで行けるではないかという見方になる。そういう無検査・無医療を積極容認する放置主義の考え方もあるだろう。だが、その政策は、内実としては貧困な途上国の現実と同じだ。


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結局、呼吸困難に陥った重症者が次々と救急病院に運び込まれ、呼吸器不足で治療もされないまま死体となるだけだ。果たして、それでいいのだろうか。それを日本の対策として認め選ぶべきだろうか。ウィルスはヒトを選ばない。国を選ばず、民族を選ばない。日本が韓国の10分の1の感染者数などあり得ない。実際のところ、事実として、日本政府は無検査・無医療の自然放置を「対策」に選んで進めている。

安倍政権は、国民の自助(自己責任)を「対策」の主軸に据えている。他の諸国のようにPCR検査体制を拡充せず、ドライブスルー検査方式を実施しない。病床や隔離施設を増やして手を尽くそうとしていない。愛知県が静かに可視化した日本の「対策」の姿は、重症高齢者がICUに入って数日でトリアージされて死体になる図である。日本は韓国とは真逆の中身空っぽで臨んでいる。こんな「対策」で収束ができるわけがない。政府が「終息」を宣言しても、呼吸不全となる感染者は絶えず、静かに増え続け、患者は「ただの肺炎」か別の病名で死亡診断され、闇から闇へ処理されるだけなのだ。

私は、近日中に日本でも、欧州と同じく、必ずマスコミ関係者や政治家の周辺から感染者が出ると予想する。

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