民主的社会主義は米国の未来になるか?
[INTERNATIONAL]
カン・ドンジン(チャムセサン企画委員) 2020.03.03 09:44
[出処:バーニー・サンダースFaceBookページ]
昨年、AP通信は2020年に行われる米国大統領選挙が 「人種主義者 vs 社会主義者」というフレーム対決に進むと報道した。 これは、トランプ大統領が民主党の有色人種の女性下院議員4人に 人種差別的な攻撃を浴びせたことを契機として、 政権奪還を狙う民主党が彼を「人種差別主義者(racist)」に追い立てて、 またトランプ大統領が民主党の有色人種の女性議員を 「社会主義者(socialist)」と逆攻勢した状況を描写したものだ。 トランプ大統領は昨年、 「われわれは社会主義の悪夢ではなくアメリカンドリームを信じる」、 「米国が絶対に社会主義国家にならないという決意をまた約束する」 という反社会主義的な言明を繰り返した。
それでも大統領選挙を前にした米国では、2016年に続いて 「民主的社会主義」の風が激しく吹いている。 2016年の米国大統領選挙での民主党候補競選で 「民主的社会主義」を掲げてヒラリー・クリントン候補に惜しくも敗れた バーニー・サンダースが2020年に再立候補して、 現在(2020年2月末現在)まで得票率と全国支持率1位を記録している。 米国の民主党大統領候補選出全党大会は、 今年の7月13日から16日まで4日間予定だ。 50の州で開かれる民主党競選は、 2月3日のアイオワ州から始まり、 2月25日現在、ニューハンプシャー、ネバタなど3州のコーカスが終わった。
その結果、サンダースはアイオワ州で「白人オバマ」と呼ばれる ピート・ブティジェッジ(26.2%)に押されて残念ながら2位(26.1%)になったが、 ニューハンプシャーとネバタではそれぞれ25.9%、46.8%の支持率で1位になった。 3つの州の競選の結果、代議員確保数でもサンダースは45人で、 競争相手のピート・ブティジェッジ(25人)と 元副大統領のジョー・バイデン(15人)、 エリザベス・ウォーレン(8人)をはるかに超えている。 こうした傾向に力づけられて、 サンダースは全国世論調査で支持率1位を記録し、 トランプとの正面対決を想定した世論調査でも、 民主党の候補としては唯一トランプに勝つ候補として議論された。
これに反して民主党の主流(中道主義)は、ジョー・バイデン元副大統領、 ピート・ブティジェッジ、 億万長者のマイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長の間で筋道を捉えられずにいる。 それと共にサンダース大勢論に汚点をつけようとする動きを続けている。 中道主義者のオバマ前大統領は昨年11月、 2020年の米国大統領選挙民主党競選について 「米国はまだ改善を望むだろう、革命的な変化を望む国ではない」 と言及し、 サンダースやウォレンが出した進歩的な政策に対して批判的な見解を表出した。 ニューヨークタイムズは最近、ロシアが米国大統領選挙で トランプ大統領とバーニー・サンダースを支援する準備をしているという記事を送りだした。 二人の候補が米国の軍事力の海外膨張に反対する共通点を持っているということが背景だ。 これは民主党の競争候補が「サンダース=共産主義者」という理念論争攻勢を展開する根拠を提供したという議論を呼んだ。 民主党の主流はサンダースが打ち出す「民主的社会主義」が 中道層の離反を招くとし、批判的な立場を固守している。
一方、サンダース大勢論に力を貸したのは若い青年層と有色人種だった。 ネバタ州でサンダースは47%に近い支持率を得て、 2位(21%)のジョー・バイデンを大差で振り切った。 ここでサンダースはヒスパニック有権者中51%の支持を確保した。 17〜29歳の有権者の65%を、30〜44歳の有権者の50%の支持を獲得した。 男性(38%)と女性(30%)、大卒(27%)と大卒未満(40%)有権者集団でも、 2位と二桁に格差を広げ、支持基盤の多様性を見せた。 またサンダースは労働組合の上層指導部ではなく、 下からの労働者の自発的な支持の流れを基盤にしている。
[出処:バーニー・サンダースFaceBookページ]
こうしたサンダース大勢論は、予想されたことでもある。 まずサンダースが打ち出している民主的社会主義に対する支持が高い。 サンダースはグリーンニューディール、 全国民のための医療保険、大学無償登録金、労組する権利保障などを 主要公約として提出している。 そしてこれを「民主的社会主義」と通称する。 世論調査機関ギャラップによれば、 米国ではミレニアル世代以後の若年層の社会主義に対する肯定的評価は 2010年以後、50%に近づいてきた。 これは以前の世代であるX-世代とベビーブーマー世代の30%台と比較すると非常に高い数値だ。 特に民主党支持者のミレニアル世代の中で社会主義を肯定する割合は70%をはるかに上回る。
社会主義に対する肯定的評価はサンダースに対する支持と関連性が高い。 まず米国の若い世代間で「社会主義」が友好的に広がった背景は、 2008年の金融危機で表出された資本主義経済不平等の深化と所得減少、 オバマ政府に対する失望が強い。 こうした失望と期待はサンダースの民主的社会主義の公約支持に連結する。
二番目はサンダースが下からの「草の根大衆」の自発的キャンペーンと運動を基盤にしている点だ。 「金とメディア選挙」と称される米国大統領選挙では、 選挙資金の規模は当落を決定する重要な要素だ。 したがって候補たちは選挙資金を集めることに全力を尽くす。 民主党の大統領選挙競選で他の候補は自分が億万長者であることを打ち出したり、 ウォール街や大企業のCEOなどの経歴に頼っているが、 サンダースは自発的な支持者の小額寄付金を組織した。 選挙資金の99%を自分のポケットから払うマイケル・ブルームバーグを除けば、 2019年末にサンダースは民主党候補のうち大統領選挙戦資金募金額規模で1位を記録した。 このうち60%ほどは200ドル未満の小額寄付金だった。 これはサンダース支持層の厚さと結集を示す指標であった。
三つ目はサンダースのキャンペーンと公約が下からの社会運動に全的に基盤している点だ。 代表的な公約のグリーンニューディールは、Sunrise Movementと気候正義運動などの気候危機に対応する草の根運動と連係を結んでいる。 また「連邦最低賃金15ドル提供」は米国全域で ファストフード労働者とサービス労働者が展開した 「15ドル運動」の延長線にある。 「全国民のための医療保険」や「大学無償登録金」等も同じだ。 2017年から拡大し始めた教師のストライキ、 「Black Lives Matter」運動、 堕胎罪廃止運動もまたサンダース突風の強力な基盤だ。
現在のサンダース大勢論の形成は、 △下からの社会運動と大衆の自発的参加、 △「民主的社会主義」政策と公約、 △サンダースという人物が生きてきた経験と履歴などがからんで作られた 「人民による、人民のため、人民の政治」の象徴と呼ばれるに値する。
一方、今年の米国大統領選挙で注目される点は、 サンダースが民主党候補に決定するのか、 そしてトランプとの本戦で大統領に当選するのかだ。 サンダースが民主党候補に決まるには、 急進的で左派的な候補に拒否感が強い民主党主流の流れを克服することがカギだ。 現在のところ、民主党主流の中道主義はブティジェッジ、ジョー・バイデン、 ブルームバーグの間で揺れており、 サンダースに対する曖昧な牽制があるが、 候補の輪郭がほぼ見えてくる3月3日のスーパー・チューズデイが過ぎると サンダースに対する牽制と批判が本格化するだろう。 ここに「ロシア支援説」のようなフェイク・ニュースやデマ拡散などが結びつく可能性が高い。
もしサンダースが民主党候補に選出され、 トランプ大統領との競争が繰り広げられれば、 2020年の米国大統領選挙は「資本主義 vs 社会主義」という対決構図になる可能性が高い。 前述のように、トランプはすでに「資本主義 vs 社会主義」の構図で大統領選挙を行う意図を表明した。 トランプは2008年の経済危機以後、資本主義に対する批判が高まり、 米国の世界経済に対する支配の弱化が明らかになった状況で、 過去の米国資本主義の回復と世界覇権を維持するために 「Great America Again」のスローガンを掲げて当選した。 しかしサンダースは資本主義が生んだ経済的不平等、 生態系破壊、労働者の生活の悪化などを克服するための代案的未来として 「民主的社会主義」を打ち出している。 トランプが米国の覇権に象徴される米国資本主義の「過去と現在」を象徴するとすれば、 サンダースは「民主的社会主義」で米国資本主義の「未来」を象徴すると見られる。 「過去への回帰 vs 未来に向けた前進」というフレームと構図が 2020年に繰り広げられるのか、興味深く見守りたい。
また一つ注目すべき点は、米国の政治の構図で 民主党(自由主義)と共和党(保守主義)以外に 「民主的社会主義」という新しい政治勢力が成長できるのか、 それで二大政党の構図が崩れるのかどうかだ。
サンダースの選挙キャンペーンの組織的背景には 「民主的社会主義者(Democratic Socialist of America、DSA)」がある。 DSAは昨年2年に1回行われる全国代議員大会で、 2020年を経て10万人以上の会員を確保し、 大衆政党として再誕生しようという展望を提示した。 DSAの会員で現在、米国の次世代の政治家として注目されている アレクサンドリア・オカシオ・コルテス(略称AOC)は今年の1月、 マスコミとのインタビューで 「外国ではバイデンと私は同じ党にいるわけではないが、米国では『私たち』」と言及して、 米国民主党の主流勢力との政治的差異を強調した。 経済危機と生態危機、政治危機の中で、 フランスでは2017年に共和党と社会党の二大政党構造が崩れ、 マクロンという新自由主義政治家が執権し、その後、極右勢力が浮上している。 果たして米国では資本主義的な二大政党の構図が弱まり 「民主的社会主義」という新しい未来が開かれるのか見守りたい。
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可( 仮訳 )に従います。
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カン・ドンジン(チャムセサン企画委員) 2020.03.03 09:44
[出処:バーニー・サンダースFaceBookページ]
昨年、AP通信は2020年に行われる米国大統領選挙が 「人種主義者 vs 社会主義者」というフレーム対決に進むと報道した。 これは、トランプ大統領が民主党の有色人種の女性下院議員4人に 人種差別的な攻撃を浴びせたことを契機として、 政権奪還を狙う民主党が彼を「人種差別主義者(racist)」に追い立てて、 またトランプ大統領が民主党の有色人種の女性議員を 「社会主義者(socialist)」と逆攻勢した状況を描写したものだ。 トランプ大統領は昨年、 「われわれは社会主義の悪夢ではなくアメリカンドリームを信じる」、 「米国が絶対に社会主義国家にならないという決意をまた約束する」 という反社会主義的な言明を繰り返した。
それでも大統領選挙を前にした米国では、2016年に続いて 「民主的社会主義」の風が激しく吹いている。 2016年の米国大統領選挙での民主党候補競選で 「民主的社会主義」を掲げてヒラリー・クリントン候補に惜しくも敗れた バーニー・サンダースが2020年に再立候補して、 現在(2020年2月末現在)まで得票率と全国支持率1位を記録している。 米国の民主党大統領候補選出全党大会は、 今年の7月13日から16日まで4日間予定だ。 50の州で開かれる民主党競選は、 2月3日のアイオワ州から始まり、 2月25日現在、ニューハンプシャー、ネバタなど3州のコーカスが終わった。
その結果、サンダースはアイオワ州で「白人オバマ」と呼ばれる ピート・ブティジェッジ(26.2%)に押されて残念ながら2位(26.1%)になったが、 ニューハンプシャーとネバタではそれぞれ25.9%、46.8%の支持率で1位になった。 3つの州の競選の結果、代議員確保数でもサンダースは45人で、 競争相手のピート・ブティジェッジ(25人)と 元副大統領のジョー・バイデン(15人)、 エリザベス・ウォーレン(8人)をはるかに超えている。 こうした傾向に力づけられて、 サンダースは全国世論調査で支持率1位を記録し、 トランプとの正面対決を想定した世論調査でも、 民主党の候補としては唯一トランプに勝つ候補として議論された。
これに反して民主党の主流(中道主義)は、ジョー・バイデン元副大統領、 ピート・ブティジェッジ、 億万長者のマイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長の間で筋道を捉えられずにいる。 それと共にサンダース大勢論に汚点をつけようとする動きを続けている。 中道主義者のオバマ前大統領は昨年11月、 2020年の米国大統領選挙民主党競選について 「米国はまだ改善を望むだろう、革命的な変化を望む国ではない」 と言及し、 サンダースやウォレンが出した進歩的な政策に対して批判的な見解を表出した。 ニューヨークタイムズは最近、ロシアが米国大統領選挙で トランプ大統領とバーニー・サンダースを支援する準備をしているという記事を送りだした。 二人の候補が米国の軍事力の海外膨張に反対する共通点を持っているということが背景だ。 これは民主党の競争候補が「サンダース=共産主義者」という理念論争攻勢を展開する根拠を提供したという議論を呼んだ。 民主党の主流はサンダースが打ち出す「民主的社会主義」が 中道層の離反を招くとし、批判的な立場を固守している。
一方、サンダース大勢論に力を貸したのは若い青年層と有色人種だった。 ネバタ州でサンダースは47%に近い支持率を得て、 2位(21%)のジョー・バイデンを大差で振り切った。 ここでサンダースはヒスパニック有権者中51%の支持を確保した。 17〜29歳の有権者の65%を、30〜44歳の有権者の50%の支持を獲得した。 男性(38%)と女性(30%)、大卒(27%)と大卒未満(40%)有権者集団でも、 2位と二桁に格差を広げ、支持基盤の多様性を見せた。 またサンダースは労働組合の上層指導部ではなく、 下からの労働者の自発的な支持の流れを基盤にしている。
[出処:バーニー・サンダースFaceBookページ]
こうしたサンダース大勢論は、予想されたことでもある。 まずサンダースが打ち出している民主的社会主義に対する支持が高い。 サンダースはグリーンニューディール、 全国民のための医療保険、大学無償登録金、労組する権利保障などを 主要公約として提出している。 そしてこれを「民主的社会主義」と通称する。 世論調査機関ギャラップによれば、 米国ではミレニアル世代以後の若年層の社会主義に対する肯定的評価は 2010年以後、50%に近づいてきた。 これは以前の世代であるX-世代とベビーブーマー世代の30%台と比較すると非常に高い数値だ。 特に民主党支持者のミレニアル世代の中で社会主義を肯定する割合は70%をはるかに上回る。
社会主義に対する肯定的評価はサンダースに対する支持と関連性が高い。 まず米国の若い世代間で「社会主義」が友好的に広がった背景は、 2008年の金融危機で表出された資本主義経済不平等の深化と所得減少、 オバマ政府に対する失望が強い。 こうした失望と期待はサンダースの民主的社会主義の公約支持に連結する。
二番目はサンダースが下からの「草の根大衆」の自発的キャンペーンと運動を基盤にしている点だ。 「金とメディア選挙」と称される米国大統領選挙では、 選挙資金の規模は当落を決定する重要な要素だ。 したがって候補たちは選挙資金を集めることに全力を尽くす。 民主党の大統領選挙競選で他の候補は自分が億万長者であることを打ち出したり、 ウォール街や大企業のCEOなどの経歴に頼っているが、 サンダースは自発的な支持者の小額寄付金を組織した。 選挙資金の99%を自分のポケットから払うマイケル・ブルームバーグを除けば、 2019年末にサンダースは民主党候補のうち大統領選挙戦資金募金額規模で1位を記録した。 このうち60%ほどは200ドル未満の小額寄付金だった。 これはサンダース支持層の厚さと結集を示す指標であった。
三つ目はサンダースのキャンペーンと公約が下からの社会運動に全的に基盤している点だ。 代表的な公約のグリーンニューディールは、Sunrise Movementと気候正義運動などの気候危機に対応する草の根運動と連係を結んでいる。 また「連邦最低賃金15ドル提供」は米国全域で ファストフード労働者とサービス労働者が展開した 「15ドル運動」の延長線にある。 「全国民のための医療保険」や「大学無償登録金」等も同じだ。 2017年から拡大し始めた教師のストライキ、 「Black Lives Matter」運動、 堕胎罪廃止運動もまたサンダース突風の強力な基盤だ。
現在のサンダース大勢論の形成は、 △下からの社会運動と大衆の自発的参加、 △「民主的社会主義」政策と公約、 △サンダースという人物が生きてきた経験と履歴などがからんで作られた 「人民による、人民のため、人民の政治」の象徴と呼ばれるに値する。
一方、今年の米国大統領選挙で注目される点は、 サンダースが民主党候補に決定するのか、 そしてトランプとの本戦で大統領に当選するのかだ。 サンダースが民主党候補に決まるには、 急進的で左派的な候補に拒否感が強い民主党主流の流れを克服することがカギだ。 現在のところ、民主党主流の中道主義はブティジェッジ、ジョー・バイデン、 ブルームバーグの間で揺れており、 サンダースに対する曖昧な牽制があるが、 候補の輪郭がほぼ見えてくる3月3日のスーパー・チューズデイが過ぎると サンダースに対する牽制と批判が本格化するだろう。 ここに「ロシア支援説」のようなフェイク・ニュースやデマ拡散などが結びつく可能性が高い。
もしサンダースが民主党候補に選出され、 トランプ大統領との競争が繰り広げられれば、 2020年の米国大統領選挙は「資本主義 vs 社会主義」という対決構図になる可能性が高い。 前述のように、トランプはすでに「資本主義 vs 社会主義」の構図で大統領選挙を行う意図を表明した。 トランプは2008年の経済危機以後、資本主義に対する批判が高まり、 米国の世界経済に対する支配の弱化が明らかになった状況で、 過去の米国資本主義の回復と世界覇権を維持するために 「Great America Again」のスローガンを掲げて当選した。 しかしサンダースは資本主義が生んだ経済的不平等、 生態系破壊、労働者の生活の悪化などを克服するための代案的未来として 「民主的社会主義」を打ち出している。 トランプが米国の覇権に象徴される米国資本主義の「過去と現在」を象徴するとすれば、 サンダースは「民主的社会主義」で米国資本主義の「未来」を象徴すると見られる。 「過去への回帰 vs 未来に向けた前進」というフレームと構図が 2020年に繰り広げられるのか、興味深く見守りたい。
また一つ注目すべき点は、米国の政治の構図で 民主党(自由主義)と共和党(保守主義)以外に 「民主的社会主義」という新しい政治勢力が成長できるのか、 それで二大政党の構図が崩れるのかどうかだ。
サンダースの選挙キャンペーンの組織的背景には 「民主的社会主義者(Democratic Socialist of America、DSA)」がある。 DSAは昨年2年に1回行われる全国代議員大会で、 2020年を経て10万人以上の会員を確保し、 大衆政党として再誕生しようという展望を提示した。 DSAの会員で現在、米国の次世代の政治家として注目されている アレクサンドリア・オカシオ・コルテス(略称AOC)は今年の1月、 マスコミとのインタビューで 「外国ではバイデンと私は同じ党にいるわけではないが、米国では『私たち』」と言及して、 米国民主党の主流勢力との政治的差異を強調した。 経済危機と生態危機、政治危機の中で、 フランスでは2017年に共和党と社会党の二大政党構造が崩れ、 マクロンという新自由主義政治家が執権し、その後、極右勢力が浮上している。 果たして米国では資本主義的な二大政党の構図が弱まり 「民主的社会主義」という新しい未来が開かれるのか見守りたい。
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可( 仮訳 )に従います。