二月から三月へかけては
北海道の子供時代
いちばん好きだった季節だった
二月も終りになると
それまでスキーで学校へと通ってたのが
歩いて行けるようになる
待ちに待った凍雪の季節が
とうとうやって来たんだと
あれこれと予定を立てていた子供時代
近所の山で兎やカケス罠を仕掛けたり
昼間の太陽で溶けた雪面が深夜に凍りついて
どこまでも真っ直ぐ歩いてゆける季節だった
山奥深くでのザリガニ採りやヤマメ釣り
オンコ(イチイ)の樹を採りに行ったり
今年はどこの源流や地図上の名もない湖を
探険しようかなと夢想していた三月
雪解けの森のあちこちかは
もう花開きはじめた福寿草やカタクリの薄紫や
エゾエンゴサクの青への風のかぐわしさ
あの頃の君の言葉がふっと
風の中に蘇るときがある
スウェーデン映画「まるで犬みたいな人生」みたいに
雪道の帰り道で
「あんたなんか大嫌い」という君の口許を
じっと見つめて立ち尽くしてたぼく
「大嫌い」というのは
「大好き」の究極の表現だと
知ったのはつい最近のこと
北海道の子供時代
いちばん好きだった季節だった
二月も終りになると
それまでスキーで学校へと通ってたのが
歩いて行けるようになる
待ちに待った凍雪の季節が
とうとうやって来たんだと
あれこれと予定を立てていた子供時代
近所の山で兎やカケス罠を仕掛けたり
昼間の太陽で溶けた雪面が深夜に凍りついて
どこまでも真っ直ぐ歩いてゆける季節だった
山奥深くでのザリガニ採りやヤマメ釣り
オンコ(イチイ)の樹を採りに行ったり
今年はどこの源流や地図上の名もない湖を
探険しようかなと夢想していた三月
雪解けの森のあちこちかは
もう花開きはじめた福寿草やカタクリの薄紫や
エゾエンゴサクの青への風のかぐわしさ
あの頃の君の言葉がふっと
風の中に蘇るときがある
スウェーデン映画「まるで犬みたいな人生」みたいに
雪道の帰り道で
「あんたなんか大嫌い」という君の口許を
じっと見つめて立ち尽くしてたぼく
「大嫌い」というのは
「大好き」の究極の表現だと
知ったのはつい最近のこと