Quantcast
Channel: 詩人PIKKIのひとこと日記&詩
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5481

 鎌田慧(ルポライター) (2月11日東京新聞朝刊23面「本音のコラム」より)

$
0
0
http://www.labornetjp.org/news/2020/1581580854450staff01

 消防署が火事になり、警官が強盗を働き、医者が人を殺し、首相が公職選挙法に違反したら、世の中真っ暗だ。高額税金を私用にまわした首相の桜見物もデタラメだが原発の化学消防車が火事になったら大変だ。
 消防車が火事になる、などというと、ウソをつくなと
非難されそうだ。
 しかし、実際に、2月3日午前1時ごろ、青森県の最北端、大間原発の車庫内で、化学消防車から出火した。

 火災報知機の警報で駆けつけた守衛が通報し、ポンプ車4台が駆けつけて消火した。放水用配管の凍結を防ぐため外部電源で作動させていたヒー夕ーの故障が、原因だったようだ。

 電源開発が建設している大間原発は、1グラムでも致死量という猛毒プルトニウムとウランとの混合酸化物(MOX)を全量燃料とする、実験的で最も危険な原発。1970年代に計画され、2008年から建設工事に入ったが、いまだ原子炉は設置されていない、がらんどうの
建物のままだ。

 無用の長物ともいえる建屋だったから不幸中の幸いというべきか。
500mお隣の熊谷厚子さん(65)は「自分の火事も消せない会社が危険な原発を運転できるわけはない」とあきれ果てている。
 母親のあさ子さんは用地買収に応じないまま14年前、68歳で他界した。いま厚子・奈々さん親子がその遺志を継いでいる。
      (2月11日東京新聞朝刊23面「本音のコラム」より)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5481

Trending Articles