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遅まきながら『パラサイト 半地下の家族』見てきました。さすがパルムドール
受賞作!予想をはるかに超えるおもしろさ!
父親役のソン・ガンホ。2017年の『タクシー運転手』に続く主演で、変わらぬ存
在感を発揮しています。こんな味を出せる役者が日本にいるでしょうか。脇役で
はいそうだけれど、主役クラスでは果たして…。
どうしても比べたくなるのが、前年のパルムドール受賞作『万引き家族』。ス トーリー
展開といい、描かれる情景の痛快さと反面のシリアスさといい、ユーモ
アとサスペンスの見事な絡み合いといい、『パラサイト』が数等上を行っている
感じがします。グローバリズムが作り出した闇=貧困・格差に対する視点の深さ
の違いなのでしょう。
それにしても、ケン・ローチの『家族を想うとき』もそうだったが、なぜ原題に
即した日本語タイトルにしないのだろうか。『기생충(寄生虫)』と『パラサイ
ト』では受ける語感が相当かけ離れているように思うのですが。「寄生虫」から
は、いったい社会に寄生しているのは主人公の4人家族なのか、いや実は丘の上
の豪邸に住むIT企業社長の一家なのではないか、といろいろ想念が膨らんでい
きます(荻上チキがコメントしているように)が、「パラサイト」しかも「半地
下の家族」と続くと、一つの固定観念にとらわれてしまうのではないか。
まあしかし、映画はそんな固定観念を吹き飛ばす圧倒的な熱量を持っています。
まだの人はぜひ劇場へ!
http://www.parasite-mv.jp/
浅井健治@週刊MDS編集部
遅まきながら『パラサイト 半地下の家族』見てきました。さすがパルムドール
受賞作!予想をはるかに超えるおもしろさ!
父親役のソン・ガンホ。2017年の『タクシー運転手』に続く主演で、変わらぬ存
在感を発揮しています。こんな味を出せる役者が日本にいるでしょうか。脇役で
はいそうだけれど、主役クラスでは果たして…。
どうしても比べたくなるのが、前年のパルムドール受賞作『万引き家族』。ス トーリー
展開といい、描かれる情景の痛快さと反面のシリアスさといい、ユーモ
アとサスペンスの見事な絡み合いといい、『パラサイト』が数等上を行っている
感じがします。グローバリズムが作り出した闇=貧困・格差に対する視点の深さ
の違いなのでしょう。
それにしても、ケン・ローチの『家族を想うとき』もそうだったが、なぜ原題に
即した日本語タイトルにしないのだろうか。『기생충(寄生虫)』と『パラサイ
ト』では受ける語感が相当かけ離れているように思うのですが。「寄生虫」から
は、いったい社会に寄生しているのは主人公の4人家族なのか、いや実は丘の上
の豪邸に住むIT企業社長の一家なのではないか、といろいろ想念が膨らんでい
きます(荻上チキがコメントしているように)が、「パラサイト」しかも「半地
下の家族」と続くと、一つの固定観念にとらわれてしまうのではないか。
まあしかし、映画はそんな固定観念を吹き飛ばす圧倒的な熱量を持っています。
まだの人はぜひ劇場へ!
http://www.parasite-mv.jp/
浅井健治@週刊MDS編集部