何年か振りの故郷の夢だった
洞爺湖行きへのバスを待っていると
なんと!猫バスが
待っている数人を置いてきぼりにして
つづれ折りの坂道をぐんぐんと登ってくる
ちらりとこっちを見ては
にっこりと微笑んでいる
憎たらしい猫バス
みんな血相を変えて
一生懸命にその猫バスを追いかけるけど
猫バスはぐんぐんスピードをあげて
はるか湖畔を一周してゆく
峠から降りてゆくと
懐かしい我が家が見える
いまは亡い父の表札のかかった
いまにも倒壊しそうな平屋の家
冬には
人間の腕ほどもあるツララが
窓一面にぶら下がってた我が家
「忘れてたわけじゃないんだ」
「生きるだけで大変だったんだ」と
懐かしい山並みを見上げながら呟いて
立ち尽くすばかりの自分がいた
デラシネ(根無し草)の旗のもとでは
明日もまた
生きることに懸命の毎日に違いない
人生の途上では誰もがデラシネ
デラシネの旗がなびく日々の途上で
たった一日しかない今日を
ただひたすら懸命に生きるしかない
洞爺湖行きへのバスを待っていると
なんと!猫バスが
待っている数人を置いてきぼりにして
つづれ折りの坂道をぐんぐんと登ってくる
ちらりとこっちを見ては
にっこりと微笑んでいる
憎たらしい猫バス
みんな血相を変えて
一生懸命にその猫バスを追いかけるけど
猫バスはぐんぐんスピードをあげて
はるか湖畔を一周してゆく
峠から降りてゆくと
懐かしい我が家が見える
いまは亡い父の表札のかかった
いまにも倒壊しそうな平屋の家
冬には
人間の腕ほどもあるツララが
窓一面にぶら下がってた我が家
「忘れてたわけじゃないんだ」
「生きるだけで大変だったんだ」と
懐かしい山並みを見上げながら呟いて
立ち尽くすばかりの自分がいた
デラシネ(根無し草)の旗のもとでは
明日もまた
生きることに懸命の毎日に違いない
人生の途上では誰もがデラシネ
デラシネの旗がなびく日々の途上で
たった一日しかない今日を
ただひたすら懸命に生きるしかない