Quantcast
Channel: 詩人PIKKIのひとこと日記&詩
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5481

カモメ

$
0
0
寺山修司の歌はいつだって 
カモメを連想させる

砂の無い砂時計である蒼穹のあわいを
ただ一羽逃亡し続けるカモメ

子供の頃ときどき
散弾銃を持って浜辺へ
カモメを撃ちにいった

いちどだって 
そんな間抜けなカモメは見つからなかったけど

重力に抗いつづける
たったひとつの生き物カモメ
ぼくのただひとつの憧れの対象
憎しみの対象でもあったカモメ

そして誰もが
好きなものや
憎んでいるものについてしか
歌うことができない

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5481

Trending Articles