私たちは客観的、そして冷静にものごとを考える必要がある。
安倍内閣が韓国に敵対的な政策を推進している。
韓国をホワイト国から除外し、韓国との交易を滞らせる措置を取った。
また、日本が供給の大半を占める資材の供給に制限をかける措置を採用した。
表向きは安全保障上の理由だとしているが、実体は徴用工問題で韓国大法院が下した判断に対する報復措置であることは否定しようのない真実だ。
安倍内閣は韓国経済に対する嫌がらせを積極的に展開している。
世論調査では日本の主権者が安倍内閣の対応を支持しているとされているが、メディアの世論調査結果に信頼性はない。
同時に主権者の判断が、マスメディアが提供する情報によって特定の方向に誘導されていることも否定できない。
たとえばNHKは8月28日午後7時の定時ニュースで日韓問題について次の報道をした。
「あす日韓外務局長協議 日本側の立場説明へ」
「日韓関係が悪化する中、外務省は、金杉アジア大洋州局長が29日に韓国を訪問し、韓国外務省の局長と協議することを発表しました。太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について、韓国側が国際法違反の状態を早急に是正するよう改めて求めるとともに、北朝鮮への対応についても協議するものとみられます。
(中略)
協議では、韓国を輸出管理の優遇対象国から外す政令が28日施行されたことに韓国側が反発していることから、金杉局長は「安全保障上の観点から、わが国の輸出管理制度を適切に実施するうえで、必要な運用の見直しだ」とする日本側の立場を説明するものとみられます。
また、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について、韓国側に対し国際法違反の状態を早急に是正するよう改めて求めるとともに、北朝鮮が弾道ミサイルなどの発射を繰り返していることを受けて、日韓にアメリカを加えた安全保障面の連携についても協議するものとみられます。」
NHKは日本政府の表向きの説明である「安全保障上の観点から、わが国の輸出管理制度を適切に実施するうえで、必要な運用の見直しだ」との主張と、「韓国側が国際法違反の状態を早急に是正するよう改めて求める」との日本政府の主張だけを垂れ流しているだけだ。
NHKは、韓国の司法当局が、日韓条約、日韓請求権協定を解釈した上で、国際法には違反しないとの判断の上に立って元徴用工に対する損害賠償を命じる判決を示したという事実をまったく伝えない。
韓国を輸出管理の優遇対象国から外す措置について、徴用工裁判の判決に対する報復であることを日本政府が示唆していた事実にも一切触れない。
このニュースを聞いた者は、
「韓国は国際法に違反している」
「日本政府の措置は安全保障上に理由によるもの」
としか受け止めないだろう。
そうなると、人々は、日本政府は適切に行動しているのに、韓国政府は国際法に違反していると理解し、韓国政府が悪く日本政府は正しいと考えてしまう。
世論調査が示す数値が仮に実態を示しているのだとすれば、その原因はメディアが、
「意見が対立している問題について、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」
という放送法第4条の規定を遵守していないからである。
「日本が遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与え」たことは、日本政府が公式に認めたことである。
1965年の日韓条約は、米国が主導して樹立した軍事クーデター独裁政権と日本が、米国の圧倒的な支配力の下で締結した条約であり、1995年の村山談話に示される日本の歴史認識を反映するものでない。
同時に条約、協定は、韓国の国民の同意と支持を得て締結されたものでもない。
1910年から1945年にかけての日本による韓国の植民地支配は、村山談話が明記するように、国策を誤り、韓国の人々に多大の損害と苦痛を与えたものである。
そして、こうした植民地支配と侵略によって損害を受けた個人の請求権については、日本政府も公式に消滅していないことを正式に表明してきている。
徴用工問題が完全に解決したとの日本政府の主張は1965年の当時においては国際的に広く共有され、通用していたものである。
しかしその後、国連憲章(人権関連条項)、世界人権宣言、国際人権規約をはじめとする国際人道法が国際的に承認されるに至って、日本政府の主張はもはや法的正当性を主張できなくなっている。
「元徴用工の韓国大法院判決に対する弁護士有志声明」
http://justice.skr.jp/statement.html
は、「重大な人権侵害に起因する被害者個人の損害賠償請求権について、国家間の合意により被害者の同意なく一方的に消滅させることはできないという考え方を示した例は国際的に他にもある(例えば、イタリアのチビテッラ村におけるナチス・ドイツの住民虐殺事件に関するイタリア最高裁判所(破棄院)など)。
このように、重大な人権侵害に起因する個人の損害賠償請求権を国家が一方的に消滅させることはできないという考え方は、国際的には特異なものではなく、個人の人権侵害に対する効果的な救済を図ろうとしている国際人権法の進展に沿うものといえるのであり(世界人権宣言8条参照)、「国際法に照らしてあり得ない判断」であるということもできない。」
と指摘している。
「韓国は国際法に違反している」との見解は、勉強不足の思慮の浅い判断でしかない。
日本の主権者が問題に関する広範な見識、知識、考察に触れることができないことは、日本の主権者が「知性」を失うことを意味するものだ。
安倍政治の「反知性主義」によって日本の主権者全体が「反知性主義」の状態に陥れられていることが極めて深刻な問題である。
安倍内閣が韓国に敵対的な政策を推進している。
韓国をホワイト国から除外し、韓国との交易を滞らせる措置を取った。
また、日本が供給の大半を占める資材の供給に制限をかける措置を採用した。
表向きは安全保障上の理由だとしているが、実体は徴用工問題で韓国大法院が下した判断に対する報復措置であることは否定しようのない真実だ。
安倍内閣は韓国経済に対する嫌がらせを積極的に展開している。
世論調査では日本の主権者が安倍内閣の対応を支持しているとされているが、メディアの世論調査結果に信頼性はない。
同時に主権者の判断が、マスメディアが提供する情報によって特定の方向に誘導されていることも否定できない。
たとえばNHKは8月28日午後7時の定時ニュースで日韓問題について次の報道をした。
「あす日韓外務局長協議 日本側の立場説明へ」
「日韓関係が悪化する中、外務省は、金杉アジア大洋州局長が29日に韓国を訪問し、韓国外務省の局長と協議することを発表しました。太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について、韓国側が国際法違反の状態を早急に是正するよう改めて求めるとともに、北朝鮮への対応についても協議するものとみられます。
(中略)
協議では、韓国を輸出管理の優遇対象国から外す政令が28日施行されたことに韓国側が反発していることから、金杉局長は「安全保障上の観点から、わが国の輸出管理制度を適切に実施するうえで、必要な運用の見直しだ」とする日本側の立場を説明するものとみられます。
また、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について、韓国側に対し国際法違反の状態を早急に是正するよう改めて求めるとともに、北朝鮮が弾道ミサイルなどの発射を繰り返していることを受けて、日韓にアメリカを加えた安全保障面の連携についても協議するものとみられます。」
NHKは日本政府の表向きの説明である「安全保障上の観点から、わが国の輸出管理制度を適切に実施するうえで、必要な運用の見直しだ」との主張と、「韓国側が国際法違反の状態を早急に是正するよう改めて求める」との日本政府の主張だけを垂れ流しているだけだ。
NHKは、韓国の司法当局が、日韓条約、日韓請求権協定を解釈した上で、国際法には違反しないとの判断の上に立って元徴用工に対する損害賠償を命じる判決を示したという事実をまったく伝えない。
韓国を輸出管理の優遇対象国から外す措置について、徴用工裁判の判決に対する報復であることを日本政府が示唆していた事実にも一切触れない。
このニュースを聞いた者は、
「韓国は国際法に違反している」
「日本政府の措置は安全保障上に理由によるもの」
としか受け止めないだろう。
そうなると、人々は、日本政府は適切に行動しているのに、韓国政府は国際法に違反していると理解し、韓国政府が悪く日本政府は正しいと考えてしまう。
世論調査が示す数値が仮に実態を示しているのだとすれば、その原因はメディアが、
「意見が対立している問題について、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」
という放送法第4条の規定を遵守していないからである。
「日本が遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与え」たことは、日本政府が公式に認めたことである。
1965年の日韓条約は、米国が主導して樹立した軍事クーデター独裁政権と日本が、米国の圧倒的な支配力の下で締結した条約であり、1995年の村山談話に示される日本の歴史認識を反映するものでない。
同時に条約、協定は、韓国の国民の同意と支持を得て締結されたものでもない。
1910年から1945年にかけての日本による韓国の植民地支配は、村山談話が明記するように、国策を誤り、韓国の人々に多大の損害と苦痛を与えたものである。
そして、こうした植民地支配と侵略によって損害を受けた個人の請求権については、日本政府も公式に消滅していないことを正式に表明してきている。
徴用工問題が完全に解決したとの日本政府の主張は1965年の当時においては国際的に広く共有され、通用していたものである。
しかしその後、国連憲章(人権関連条項)、世界人権宣言、国際人権規約をはじめとする国際人道法が国際的に承認されるに至って、日本政府の主張はもはや法的正当性を主張できなくなっている。
「元徴用工の韓国大法院判決に対する弁護士有志声明」
http://justice.skr.jp/statement.html
は、「重大な人権侵害に起因する被害者個人の損害賠償請求権について、国家間の合意により被害者の同意なく一方的に消滅させることはできないという考え方を示した例は国際的に他にもある(例えば、イタリアのチビテッラ村におけるナチス・ドイツの住民虐殺事件に関するイタリア最高裁判所(破棄院)など)。
このように、重大な人権侵害に起因する個人の損害賠償請求権を国家が一方的に消滅させることはできないという考え方は、国際的には特異なものではなく、個人の人権侵害に対する効果的な救済を図ろうとしている国際人権法の進展に沿うものといえるのであり(世界人権宣言8条参照)、「国際法に照らしてあり得ない判断」であるということもできない。」
と指摘している。
「韓国は国際法に違反している」との見解は、勉強不足の思慮の浅い判断でしかない。
日本の主権者が問題に関する広範な見識、知識、考察に触れることができないことは、日本の主権者が「知性」を失うことを意味するものだ。
安倍政治の「反知性主義」によって日本の主権者全体が「反知性主義」の状態に陥れられていることが極めて深刻な問題である。