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Channel: 詩人PIKKIのひとこと日記&詩
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ネットで読むことのできる反戦文学

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下記は、いずれも「日本ペンクラブ文藝館」で読むことができる。
これらに比べると、トヨタの資金援助で運営されてきた日本最大のネット図書館「青空文庫」には、戦争&反戦の文学等はほとんど皆無に思える。
◆「日本ペンクラブ文藝館」はー「ここ」
◆「青空文庫」はー「ここ」

◆わかりやすいように各小説・詩歌がどのページにあるのかと、簡単なコメントを記しておくことに。
(1)軍人・戦場の物語→『反戦・反核ページ』
①阿川 弘之「年年歳歳」...TVタックルでたけしの女房役女性の父親が、原爆投下直後の広島に復員してからの物語。しみじみとした哀感に満ちている。
②大岡 昇平「浮虜記」...とても読みやすいので薦めたい
③大岡 昇平「野火」...彼のすべての著作を読みたくなった
④開高 健「玉、砕ける」...彼の作品はすべて素晴らしい。戦後最高の作家のひとりと思う。
⑤黒島 傳治「渦巻ける烏の群れ」...詩情やブラックユーモア満載で、一番好きな戦争文学かもしれない。戦争文学の最高峰の一作品。
⑥結城 昌治「軍旗はためく下に」...舞台はあらゆる補給を絶たれて逃げ延びるだけだったフィリピンルソン島。これほど軍隊の不条理さや馬鹿らしいさを赤裸々に暴いた物語も珍しい。
⑦菊村 到「硫黄島」...最後まで読ませる謎解き。そういえば僕の恩師も硫黄島生き残り数十人の一人だと言っていたっけ。シベリア抑留からという教師も。
⑧渡辺 清「戦艦武蔵の最期」...僕の好きな戦艦武蔵についてはいつかまた。
⑨渡辺 清「少年兵における戦後史の落丁」...
⑩武田 泰淳「汝の母を!」...獣(獣に失礼だろが)以下の狂気が支配していた日本軍のおぞましい戦争犯罪。母子らしき中国人捕虜にセックスを強要という・・
⑪五味川 純平「不帰の暦」...『人間の条件』に繋がる戦争体験を短編小説化
⑫細田 民樹「多忙な初年兵」...まだまだ牧歌的だった頃の日本軍。それでもすさまじい。

(2)上記以外の反戦・平和の物語・記録→『反戦・平和ページ』
①原 民喜「夏の花」...狂気へと赴く彼を心配して外国へと行ったのは開高健だったか
②原 民喜「廃墟から」...世界中の人々に読んでほしいなと思う
③今井 清一「関東大震災」...数千人の朝鮮の人々や中国人や訛りのきつい沖縄人やドモリの人々が自警団の検問で殴り殺されたという。宮沢賢治と山之口獏と金子光晴という尊敬する詩人たちの出発点でもあった。
④隅谷 三喜男「大逆事件・明治の終焉」...方向は違うが、同じく権力が利用した権力のための犯罪という点では「オウム真理教事件」と似ているのではと思う。
⑤大内 力「ファシズムへの道 準戦時体制へ」...
⑥文部省昭和二十二年「あたらしい憲法のはなし&日本國憲法」...とてもわかりやすい憲法について。

(3)反戦・平和の詩歌→『反戦・平和ページ』
①鶴 彬「鶴彬川柳選」...鶴彬の前にも後にも、彼のような川柳作者は皆無
②山本 司「時代の風」...最近好きになった歌人
(4)その記録的作品→『評論・研究ページ』
①紀田順一郎「南方熊楠 ─学問は活物で書籍は糟粕だ─」...
②水野 廣徳「平和への直言」...どうしてだかアクセス不能になっていた。アメリカ側の圧力だろうか?
③高橋 誠一郎「司馬遼太郎の教育観ー『ひとびとの跫音』における大正時代の考察」...司馬史観をもっと真剣に考えるべきかもしれない。

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