<国連人権理事会106か国が課題を指摘>
国連人権理事会の対日作業部会を受けて11月16日、実に218項目の勧告をまとめた暫定報告書が、ジュネーブで公表された。106か国の勧告というのもすごい数だ。日本のレイプ文化を網羅した内容であろう。全文を読めば、世界の目の厳しい指摘が何かを理解できるであろう。それは歴史を直視しない政府と、やくざレイプ犯を野放しにした歓楽街、最近では強姦魔を政府がもみ消した詩織さん事件の発覚などが、218勧告の背景にあると信じたい。血税利用の公人による不倫文化も、レイプ文化に追い打ちをかけているのであろう。いい加減な新聞テレビ報道にごまかされてはなるまい。
<慰安婦・性奴隷許さない>
戦前日本軍の従軍慰安婦制度は、海外の婦女子を甘言を弄して拉致、格子で囲い、集団強姦するだけでなく、戦場にあっては、女性という女性を強姦した後に爆殺することも常態化していたことが、元日本兵が証言している。「皇軍」とは名ばかりの悪魔の軍隊だった。
日本軍の行動は、世界に知れ渡っている。それでいて、これを覆そうとしたのが、今の安倍・自公政権の5年である。今回の人権理事会の日本問題は、ちょうど5年ぶりの勧告と報告であった。
慰安婦・性奴隷は、日本のレイプ文化を象徴するものであろう。中国・韓国・北朝鮮などが、特にこの問題を取り上げて、日本政府に反省・謝罪・補償を求めた。
世界は、日本の過去を許すことはない。それは二度と繰り返させないためである。そのための教育の必要性も求めていた。安倍・自公内閣の挑戦は、結果的にみると、逆効果だった。
<やくざレイプ犯放任に警告か>
従軍慰安婦の戦後版が、やくざレイプ犯の放任である。紳士の遊び場で知られる歓楽街は、やくざにレイプされ、性奴隷となった魅力的な女性で支えられているのだが、それを裏で糸を引くのは、やくざ・暴力団である。
日本の歓楽街は、やくざに支配されているいかがわしい地帯である。これに政治屋も関与している。たとえば、木更津などでは、すべての飲食店がハマコーの色紙を買わされていた。店はそれを店内に飾ることで、やくざの嫌がらせから逃避した。やくざ代議士に献金する飲食店とやくざを、警察は取り締まろうとしなかった。無法地帯なのだ。
やくざレイプ犯は野放し状態にあるといっていい。異様な日本のレイプ文化のもとでは、魅力的な女性は常に狙われている。そこでは、被害者が100%抵抗しない。凶器と入れ墨に抵抗したくてもできない。
「木更津レイプ殺人事件」がその典型例であろう。無数の被害者がいるのだが、誰一人声を上げない。レイプ文化に、政府も議会も司法も屈して恥じない。恐ろしい日本であることに、ジャーナリストも、女性の国会議員も、見て見ぬふりをしている。最近まで気づかなかった筆者も、いま恥じ入るばかりである。
不倫発覚で議員を辞職した公明党の長沢という人物の彼女は、銀座に送り込まれたレイプ被害女性の一人と見られている。
美人薄命というが、それはレイプ文化を象徴して余りあろう。
<官邸のTBS強姦魔もみ消し効果か>
2014年の強姦事件が、いま政界を揺るがしている。詩織さんを強姦したTBSワシントン支局長の山口逮捕状を、警視庁の中村刑事部長が握りつぶし、さらに東京地検が不起訴にした重大国家犯罪を、検察審査会も容認した。
この驚くべき強姦もみ消し事件は、米人ジャーナリストの手で、世界に発信されている。106か国の人権理事会メンバーは、日本政府が関与した人権侵害事件に驚愕したはずである。218項目の勧告の背景であろう。
日本人は海外で胸を張って歩けない。
従軍慰安婦問題に蓋をかけてきた日本政府の正体を、政府自らさらけ出したものなのだから。各国とも開いた口が閉まらないだろう。
<言論の自由規制がレイプ文化助長>
レイプ文化を助長させる背景の一つが、新聞テレビにある。特定秘密保護法や共謀罪について、国連人権専門官は、既に警鐘を鳴らしてきている。憲法違反の悪法である。
この人権侵害法が、安倍・自公内閣によって強行されたものである。
それに反発できなかった原因を、人権理事会、特にアメリカなどは放送法第4条の、放送機関への生殺与奪の権を握る日本政府だと、特に警告している。
テレビは、政府の規制に安住している、というのが真相であろう。レイプを助長するような、いかがわしい映像がブラウン管の主役になっている。まじめ・まともな政治批判・政治評論は絶無である。
警察の奮起を期待したい。やくざに屈しない警察官と政治家の登場が、いま何よりも必要であろう。急がば回れ、である。フィリピンのドゥテルテ大統領のような人物によって、レイプ文化を排除しなければ、日本人は胸を張ることは出来ない。
女性が安心して暮らせる日本の到来である。
2017年11月17日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
財閥は二刀流使い<本澤二郎の「日本の風景」(2792) <中国商売で大成功した松下幸之助と稲盛和夫>
民進党を瓦解させた功労者は、松下幸之助が誕生させた松下政経塾出身で京都の前原誠司と、父親が勝共連合だった小池百合子のコンビだった、と分析する小論を、フリーランス・ジャーナリスの藤原肇が、月刊誌「財界にっぽん」2017年12月号に書いている。作戦本部が、米国にあることを知らない国民ばかりである。筆者もその一人だったが、なんとジョージタウン大学にある「戦略国際問題研究所」(CSIS)。よくいわれる、日本操作機関のジャパン・ハンドラーズの牙城である。中国ビジネスで大成功した松下と稲盛も関係している。彼らは、ネオコン・米産軍体制の手先ということになる。騙しの世界とはいうものの、新聞テレビが狂いだすと、世の中は見えなくなるものである。
<米戦略国際問題研究所は松下政経塾の大学院>
松下というと、筆者などは「丁稚小僧」という言葉が頭にひらめく。戦前の軍需産業だったことを知る者はいない。彼を尊敬した人物が京都・京セラの稲森だった。
松下は出版社PHPをつくり、自己宣伝に努めた。日本会議好みを出版しての世論操作は、よく知られている。松下政経塾の自民党議員とは、以前に取材したことがあるが、一番驚いた発言は歴史認識で、それは「侵略戦争?それはいまの我々は関係ない」というまことにあっさりした無責任コメントだったので、今も記憶している。
徹底した、偏狭な民族主義教育をしていたことに、容赦なく気付かされたものだ。
松下政経塾に応募して不合格になった若者は「憲法9条について討論させる。そこで護憲を口にして落第してしまった」と打ち明けてくれた。右翼改憲派の学生が、お気に入りの政経塾だった。
藤原は「民族主義(神社信仰)で優秀な若者をワシントンで仕上げていた。CSISは松下政経塾の大学院」と鋭い指摘をしている。目からうろことは、このことか。「ナチス突撃隊指揮官を養成した」というのだ。
<京セラの稲盛和夫は5億円献金で理事就任>
この怪しげで不気味な対日工作機関に、稲森和夫はなんと5億円を献金して理事に就任する。松下の子分のような人物で知られるため、彼のCSIS接近は、松下の意向を受けたものだろう。
MRAといわれても、何のことかわからない。藤原は詳しい。日本語では「道徳再武装運動」である。イエズス会と関係しているという。これが「日米文化交流」という名目で、日本の財界・政界・学会・マスコミに浸透したというが、いうなれば米諜報機関のCIAの隠れ蓑だった。
MRAとは、共産主義から財閥を守るというものである。これに一番熱心に取り組んだ人物が、政界では岸信介、財界では松下で、配下の稲森もそれに順じた。直ちに「労務対策に活用した」松下だった。
<共産主義から財閥を守るMRA運動>
岸は生涯、改憲軍拡派で通した。韓国・文鮮明の統一教会・勝共連合を活用して、これを自民党に浸透させた。いまの天皇制国家主義・日本会議の源流に違いない。岸は派閥を福田派に衣更えさせた。いまの清和会政権であるが、藤原は「さらば暴政」(清流出版)で、この清和会政権の危険性を見事に分析している。
森喜朗内閣から、日本の右翼化は極端に進行する。「日本は天皇中心の神の国」と公然と神道政治連盟の会合で宣言した森である。続く小泉純一郎は、繰り返し靖国神社参拝を強行して、中国と韓国との関係を悪化させた。
反共主義で財閥と結びつく清和会は、いまの安倍内閣も同様である。
<小泉進次郎は特訓を受けた米の手先>
筆者は、小泉のせがれのことが気になる。どうしてかというと、進次郎は当選すると、マスコミが特別扱いして、大々的に宣伝したことである。
こんなことは、中曽根康弘や福田赳夫のせがれになかった。特別な裏があると直感していたが、案の定、関東学院中退の進次郎は、なんと戦略国際問題研究所で特訓を受けていた。CSIS日本部長だったマイケル・グリーンの線である。彼はジャパン・ハンドラーで知られる対日工作員の一人である。「CSISはナチス思想と結びついている」と藤原は分析している。麻生太郎の口から、やたらとナチスやヒトラーが飛び出している。
<米対日戦略の牙城>
藤原は「松下政経塾とナチスの親衛隊の間には、不気味な構図が見え隠れしている。それが日本民族主義の台頭に伴う、軍国思想と結びつくと恐ろしい」とも分析している。
ベルリンからワシントン、そして東京・京都ということになるのか。
ジョージタウン大学というと、クリントンが学んだ所である。米国対日戦略の牙城であるCSISは、幸い1945年に存在しなかった。立派過ぎる平和憲法が無事に誕生したのちのことである。米ソ冷戦下の吹き出物であろうが、それが最近はワシントンのネオコンの牙城ともなっている。
改憲軍拡を指導するため、これに波長を合わせる清和会ということになる。
<裏では米諜報機関と提携する政官財の日本>
平凡な人間は、世の中の表街道を歩いているため、裏道を知らない。
筆者の恩師・宇都宮徳馬は、表街道の政治家として、平和・軍縮を叫び続けて生涯を終えた。したがって、彼は裏道を知らなかった。彼はアメリカの民主主義とアメリカンリベラルの政治家との関係を重視してきた。
彼の口からCIAやイエズス会、CSIS、MRAという言葉はなかった。思い出すと、中曽根懇談で中曽根が、さも当たり前のように「あの人物はCIA」と口にしたとき、瞬間、不思議な違和感を覚えたものである。
したがって、藤原の解説は、ほとんどが聞いたことのないもので、表街道の人間にとって、実に新鮮で、表を理解するうえで役に立つ。「財界にっぽん」の要請を受けて対談をしたときも、面食らうことが多かった。
彼が「外国特派員協会の中には、各国のスパイがいっぱい。私は彼らから情報を取っている」という説明に頷くほかなかった。
<中国出版で大金をせしめた稲盛と松下>
20年ほど前か、息子が北京大学に留学していたころ、大学の寮に泊めてもらったことがある。近くを散歩していると、本屋街に出た。店頭に松下幸之助の本がいっぱい並んでいた。改革開放に突っ走るころでもあった。松下の経営本に学生は殺到していたのだろうか。
次は稲盛本である。
「もう300万部?いや700万部も売れている」という話は、最近のことである。松下と稲盛は、ビジネス以外の出版物でも、億万長者になったのだろう。
国税当局は、しっかりと税金を徴収してもらいたいものだ。反共主義者が中国ビジネスと本の出版で暴利をむさぼっていたのである。
中国人は人がいいのかもしれない。トランプが来ると、28兆円の商談をまとめて、お土産にしたほどの器量よしである。
2017年11月10日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)