ー「夜が明けたら」ーhttps://www.youtube.com/watch?v=4pKq_Bzqdw8
夜が明けたらいつも雨の低国が煙ぶる
少しだけ残ってた元気がまた萎む
それでも 懐かしいきみの言葉が
樹々のあいだから舞い降りてくる朝もあるから
いつもの朝歩いてゆくほの暗い道のほぐらい橋
煙草の紫煙に向かって抗議する小鳥たち
橋の下に棲んでた渡り鳥一家が北へ還っていったので
やっと新しい春がやってきたんだなと包帯を撫でさする
あてもなく堤防を歩いゆけば
故郷の海へと続く流木だらけの海へと続く大河
海の大きさに相応しい途絶えることのない波
かつてはその上にむせ返る潮の香りもあったのに
歩いては疲れ 疲れてはまた歩き
ぼくらの失ったものの大きさの総体に震えながら
傷だらけの指と きみ思い出のナイフと 放射能への殺意だけ
思い出の硝子の断片だらけで噎せ返る血潮