ぼくのブログはどれも、金子光晴の詩『反対』を冒頭に掲げている。時々は彼同様に、関東大震災後に詩人への歩みを本格的に開始した宮沢賢治や山之口獏の詩にも替えた事もあるけど、やはりこの百年以上前の金子光晴の詩がしっくりする…
反対 金子光晴
ぼくは少年の頃
学校に反対だった
ぼくは、いままた
働くことに反対だ
僕はだいいち、健康とか
正義とかが大嫌いなのだ
健康で正しいほど
人間を無情にするものはない
むろん、やまと魂は反対だ
義理人情も反吐がでる
いつの政府も反対であり
文壇画壇にも尻をむけている
何しに生まれてきたと問わるれば
躊躇なく答えよう
反対しにと
僕は、東にいる時は
西に行きたいと思ひ
着物は左前、靴は左右
袴はうしろまえ
馬には尻をむいて乗る
人の嫌がるものこそ、僕の好物
とりわけ嫌いは、気のそろうことだ
僕は信じる
反対こそ、人生で
ただ一つ立派なことだ
反対こそ、生きていることだ
反対こそ、自分をつかむことだ
◆今日は、34年前ジョン・レノンが40歳で凶弾に倒れて亡くなった日・・その犯人は、前日ホラーの帝王S・キングの許を訪れ「大ファンです」と言い、サ インしてもらっている。ジョン暗殺の報を聞いたキングは、「自分だったかもしれないと思ったらぞっとした」と・・それ以降権力批判的作品がほとんど書かれ なくなる
◆俳人とは違い・・好きな歌人は女性が多い。帯広出身の中条ふみ子(冬の皺寄せゐる海よ今少し 生きて己の無残を見むか)については何度も書いたので、今日は俵万智の歌を・・彼女の記念碑的な歌集「サラダ記念日」は等身大に思えとても新鮮だった。演劇人らしき人のブログ記事が面白い。「例えば七夕の夜に」-http://www.playnote.net/archives/001595.html
俳人とは違い、好きな歌人は女性が多い(正岡子規と寺山修司は例外)。帯広出身の中条ふみ子(冬の皺寄せゐる海よ今少し 生きて己の無残を見むか)については何度か書いたが・・デフレ不況やネット時代になると、女性を含めた弱者への思いやりは一挙に失われる。戦前の体制や人脈、思想風潮が復活する