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Channel: 詩人PIKKIのひとこと日記&詩
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最新の詩  好きなもの

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「好きな食べ物は?」って
今日もまた聞かれた
昨日スーパーで観たウドが咄嗟に頭に浮かんで
「ウドの酢味噌だべか」

最近いよいよ
朽ちてゆく難破船へと降り注ぐ放射能や怒りの声
振り返ればそこには
涙ぐみ途方にくれる人々の影また影

こんな吹雪の夜に
いつも思い出すのは両親の優しい眼差しと
風邪で寝てたぼくへの問いかけ

「何が食べたい?」
「鰈の煮付け」
それから父が吹雪の中を数キロ歩いて魚屋から買ってきて
母がそれを煮てくれた
次の日の朝の煮こごりが
カラカラに乾いた喉に染み通った

好きなものは
それ以外にもたくさんある
好きなものは
誰もにとっても人間の証しだったはずなのに

家族揃っての晩夏
縁側に並んでの線香花火
目も開けられない吹雪へと飛び出して
はあはあ言いながら
叫んでいたきみの名前







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