十月の詩(1) 秋の真ん中で
言葉さえ次々奪われてしまうと
ぼくらの貧しさはいよいよ底なしになる
ファシズムがあっという間に制圧する
ぼくら自身やぼくらの言葉さえも
包丁で切り刻まれては永遠に思い出されることはない
戦争の記憶を持つ世代の死滅を待って
またファシズム時代になったなと
あちこちに吹きすさぶ北風がけたたましい
野にはもはや薄ばかり 街には志願兵を誘うポスター
枯野のあちこちには 言葉の残骸たちが転がる
寂れたのシャッター通りには 再度の廃墟が広がる
十月の詩(2) シャーマンに降る雨
今年もまた闇雲に秋がやってきた
どこもかしこもシャーマンに降る雨のよう
放火された書物に降る雨に燃え上がる路上
雨を見上げれば塩辛い言葉の羅列
『ゲド戦記』の魔法使いゲドを打つ雨のように
ぼくらにはすでに知っている
ぼくらにはもうナイフ一本すらないと
足許の水溜りは殺戮者たちの刃物からの流血
それでもなおぼくらは
殺されるのを恐れ逃れては
生きなければならない
新しいナイフの言葉を見いださなければならない
とりわけ明治以降の長州閥支配で
嘘が習慣になってしまったこの国で
この明治以来の属国低国の最底辺で
正義のナイフを高く掲げなければならない
◆「韓国司法による在宅起訴を支持する - 隣国元首への悪質なデマと性的侮辱」ーhttp://critic20.exblog.jp/22757277/